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新潮選書
拷問と処刑の西洋史

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  • サイズ B6判/ページ数 236p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106035951
  • NDC分類 322.3
  • Cコード C0322

内容説明

啓蒙主義と人権思想を生んだ西洋文明。しかし、その中世史はかくも陰惨なものだった!異端審問、ユダヤ人狩り、魔女裁判で多用された鞭打ち、ロウソク責め、親指詰め、ハシゴ吊るしによる拷問と、見世物だった車裂き、火あぶり、絞首刑、首切りなどの公開処刑―。秩序維持のため導入された「暴力」を、拷問マニュアルや裁判資料を紐解いて明らかにする。

目次

序章 ヨーロッパ史の光と影
第1章 王殺しの記憶
第2章 異端審問と「死の祭典」
第3章 魔女裁判の仕組み
第4章 拷問という権力装置
第5章 処刑する人・される人
終章 ヨーロッパ史の闇の系譜

著者等紹介

浜本隆志[ハマモトタカシ]
関西大学文学部教授。1944年香川県生まれ。博士(文学)、専攻はドイツ文化論・比較文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kenitirokikuti

9
図書館にて。地動説もの歴史SFマンガ『チ。』の拷問シーンを見て、西洋拷問刑罰史のおさらいをした。「異端審問と魔女狩り」のイメージは妄想も集めてキメラになりがちである。まず、(古代の)暴君や独裁者の私的制裁は「拷問」ではない。拷問とは自白を促すために行われるのであって、リンチとは異なるのだ(もちろん、本来的には、である)。弾劾裁判は決闘(仇討ち)や追放(村八分)を行うため、原理的に拷問はない。2021/02/03

さとちゃん

4
2007年刊。特にドイツの異端審問と魔女狩りを中心に述べてある。異端審問や魔女裁判は、キリストの名において実施された一種の「神判」であった、との見解に納得。拷問による自白は、キリスト教の「告解」と根底において深くつながっていた、とあり、この点は指摘されるまで思ってみなかった。拷問にかけられる側の「自分は敬虔なキリスト教徒だから神はきっと救ってくださる」との心持ちは、その当時人々の心に深く宗教が根付いていたことの表れか。2024/03/01

中島直人

2
拷問と処刑の持つリアルな歴史が語られる。その中で、それらが持っていた秩序の回復や、犯罪者の贖罪と葬送という積極的な一面をも明らかにする。単なる中世の暗黒面と切って捨てるのではなく、その社会的な側面を指摘する作者の鋭さに感銘を受ける。2013/04/01

Masa03

1
まさに暗黒の中世(中世以前もあったが) なにかの書評でおすすめされていたので読んでみた。 まぁ、「どのように悪とされていることも、そもそもの動機は善だった」という感じだろうか。 本気で魔女を信じ、善意と使命感から拷問を施してでも魔女を断罪するというのは、現代からは信じられない愚行にしか思えないが、数百年経てば紙に手で字を書くということすら「信じられない愚行」という価値観になってる可能性はあるし、過去の事例を現在の価値観で断罪することは避けたい。 とはいえ、読んで気持ちのいいものではない。興味深いけど2025/01/22

巽霞月

1
拷問にも一定のルールがあった(守られていたかは別)という点は発見だった。 財産目当てというより、鬱憤の捌け口や見せしめの意味合いが強い?(例外はある) 「鉄の処女」は、実際のところどうだかというのは置いといて、見た目と名前のインパクトが強すぎて皆の想像力を掻き立ててしまうという面はあると思う 文化的背景を知れたので良い読み物だったと思う。余談だけど、漫画「イノサン」を読み返したくなった。2023/09/22

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