感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
37
再読。遠藤周作祭り第3弾。イエス・キリストの最晩年の物語と「私」のエルサレム探訪の物語が交互に語られる。イエス・キリストは決して奇蹟を起こしたから人々に受け入れられたわけではなく、逆にその何もなせない弱さ故に人々から蔑まされ罵られる存在であった。何故にそのようなイエスが後世に残ることになったのだろう?「私」の最後のセリフがそれを暗示しているようだ。★★★★☆2016/03/15
コロチャイ
9
約40年前、16歳の時図書館でこの本に出会い、家に帰り読んだことを思い出す。その時は10頁もいかないうちに、理解できず終了した。それから幾年がすぎ、古書屋でこの本を見つけ読んだ。ようやくこの本の内容が理解できたかもしれない。特に理解できたことは「ゴルゴダの丘」だ。骸骨そして処刑であることがわかった。また作者は学生時代のキリスト教の教えについて、その時代に出会った人物に照し合わせ、検証していたかもしれない。私にとってキリストはどうだろう。またこれもこれから考えよう。答えがでない。2022/12/26
N.river
1
奇跡など起こせないただの人、イエスは、そのことに腹を立てる人々の思いを晴らすべくそれが自身の成すべきことと、あえて投げられる石にぶたれにゆく。そこまで誰かの気持ちを受け入れることが出来るだろうか。胸が痛くて続きがしばらく読めなかった。忘れたくない。2014/06/09