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Crest books
遠い音

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  • サイズ B6判/ページ数 526p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105900489
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

第一次世界大戦が迫りくるなか、グローニアは5歳で聴覚を失った。家族や世界とのつながりを回復させようとする祖母。現実を受けとめられず、神に祈り医者にすがる母。祖母が根気強く教える言葉の断片が、やがて世界へつながっていき、聾学校で学んだ手話が彼女の新しい人生を切りひらく。音楽好きの青年ジムとの出逢い。そして、結婚。しかし、つかのまの幸せを残し、夫は戦場へと旅立っていく―。

著者等紹介

イタニ,フランシス[イタニ,フランシス][Itani,Frances]
1942年カナダ・オンタリオ州ベルヴィル生まれ。オタワ川のほとり、ケベック近郊のちいさな村で育つ。21歳より、看護師として働く。29歳で執筆活動をはじめ、短篇集や詩集、児童書を刊行。赤十字の職員である夫とともに世界各地に赴き、ボスニア紛争も経験している。2003年デビュー長編となる『遠い音』を発表。空前のベストセラーに。コモンウェルス作家賞カナダ・カリブ地域賞をはじめ、数多くの賞に輝き、すでに世界20ヵ国以上で翻訳されている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

151
第一次世界大戦下、聴覚を失った少女グローニアの半生を描いた物語である。 グローニアが生きる 音のない ひどく静かな世界 …ジムとの出会いは 微笑ましいが、 背後に迫る 第一次世界大戦の足跡 …グローニアの視点と ジムの視点が 交互に 入れ替わる中、音の対比が 読者にも伝わる。 カナダを舞台にした作品は 心なしか 穏やかだが…静寂なるカナダの大地に生きた 女性の半生を静謐に描いた、作品だった。 2019/08/24

優希

84
耳を澄ませるように読む感覚を味わいました。音のない世界に生きるグローニアの半生が静かに語られていきます。耳が聞こえなくなっても、沈黙の中に身を投げ出さなかったのは、彼女が知的で好奇心にあふれていたからだと思います。他人への優しさを持つグローニアだから、自分を表現する術を身につけようとする強さをも併せ持っていたのでしょう。希望を与えてもらっていたからこそ、彼女は悲しみを喜びへと変えていき、新しい世界を歩めたのだと思います。音のない世界と音のある世界が繋がる風景が美しい。心の声が伝わるのを感じました。2015/12/09

NAO

82
耳が聞こえないこと。戦争を体験すること。様々な苦しさを、どう乗り越えていくか。耳が聞こえないというハンデをもった女性。戦争で切り裂かれる家族。戦争で痛めつけられる心と体。自分の今の境遇を受け入れ、誰にも知られることのない自分の場所で、その場所にいることに耐え、しかし誇りを失わずに生きる。それは、なんと辛く大変なことだろう。2019/06/09

やどかり

19
自分の中の静かな世界にいたグローニアとジムとの愛情、心の交流がきれいだった。また祖母マモの愛情深さ、優しさがグローニアを支えたように思った。耳は聞こえなくても、グローニアは思慮深くて、周りの世界を感じている。国のために戦争へ向かおうとする男たちと、ジムやケナンの経験が対照的に見えた。戦争は綺麗事ではない。2016/01/18

りつこ

3
良かった…。何度も泣いた…。2009/02/27

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