内容説明
彼女が捜査一課に戻らない理由。それは、人が殺されて始まる捜査より、誰かが死ぬ前の事件に係わりたいから。誰かが生きていてくれることが喜びだから。警視庁本部への復帰の誘いを断り続け、所轄を渡って十年が過ぎた。組織内でも人生でも、なぜか少しだけ脇道を歩いてしまう女刑事・魚住久江が主人公の全6編。
著者等紹介
誉田哲也[ホンダテツヤ]
1969年、東京生れ。2002年、ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を獲得した『ダークサイド・エンジェル紅鈴 妖の華』でデビュー。03年『アクセス』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。斬新な女性刑事像を打ち出した『ストロベリーナイト』ほかの“姫川玲子シリーズ”や、映画化された『武士道シックスティーン』など、ジャンルの枠を越えて幅広い読者の支持を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおり
186
短編的な感じで、サクッと読めました。以前にドラマ化されたときは見れなかったので、またシリーズでやってもらいたいなー。子持ちで若手の刑事は、つるの剛士さんがピッタリだと思う(^^)原作の続編も読みたい。2014/07/27
hiro
176
誉田作品10冊目。今回の主人公は警視庁練馬署強行犯係の魚住久江42歳。誉田作品は、なぜ女性主人公が多いのだろうか。今回の主人公魚住久江も、刑事として優秀なだけでなく、被害者はもちろん、加害者の将来のことも考える女性刑事というところがまた魅力的だった。今まで警察小説といえば殺人だと思っていたけれど、派手さはないけれども、このような事件を扱う短編も面白かった。残念なことに、TVドラマを見逃してしまったが、松下由樹扮する魚住久江に会いたい。続編の『ドンナ ビアンカ』も図書館で借りてきたので、続けて読みます。2014/03/03
ゆこ
140
女刑事・魚住久江が主人公の連作短編(6篇)。 同じ女刑事でも、姫川玲子とは全く違う存在。 姫川シリーズのような派手でグロい演出はない。むしろ、地味。姫川ファンの私にとっては、初めはインパクトに欠け、さらさら読めてしまうではないかと少し残念に思っていたが、進むにつれて魚住に惹かれてしまった。非常に細やかな女性だ。被害者や加害者の心に真正面から向かう魚住には尊敬すらする。 事件の大小ではなく真摯に人と向き合い事件を解明する、稀な刑事ではないかと思う。 短編なので読みやすいが、連作なのもあり読みごたえは充分だ。2014/02/28
そのぼん
119
刑事ものの連作短編集でした。誉田哲也の刑事ものの中では比較的、軽く読めました。2011/11/13
昂
115
どの話もラストは、切なかったです。魚住久江巡査部長、いい仕事しますね。事件に大きいも小さいもないと言った感じです。「人が死ぬ前の事件に関わりたい。」いいなぁと思いました。また、登場キャラも楽しかったです。里谷さんが、本庁刑事をコテンパンにした時は、嬉しくなりました。久江さんの活躍が楽しみです。2014/08/16