内容説明
住んでいた町、住んでいる町、住むかもしれない町。直島、高野山、大阪、天草、東京、NY、松本…そして京都。なにかに導かれるように巡り歩いた、「遠足」の記録。
目次
私の直島―直島
黄色い光―高野山
小さい「石井くん」―大阪
手を合わせる―天草・長崎・外海・平戸
東京のすきま―渋谷・六本木・北千住
「その場」小説―六本木・三田・博多・四日市
固有名詞をつむぐ―ニューヨーク
犬と熊とカラスのお盆―犬島・熊野・岡山県美咲町
住んでいた町―京都・松本・浅草
転がる縁のかたまり―京都
著者等紹介
いしいしんじ[イシイシンジ]
1966年大阪生まれ。京都大学文学部仏文学科卒。2000年、初の長篇小説『ぶらんこ乗り』刊行。03年『麦ふみクーツェ』で坪田譲治文学賞受賞。現在、京都在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紅はこべ
89
人と土地の縁を信仰、祭り、祈り、芸術などと絡めて、エッセイではあるが、私小説風でも散文詩風でもある。長崎のサンタマリア館、潜伏キリシタンの世界遺産認定がもっと早かったら、閉館せずに済んだかな。残念。『旅芸人の記録』、以前から観たい映画の一つではあるが、4時間っていうのは私にとっては長すぎる。いしいさん、激動の人生ね。レッサーパンダ男事件で容疑をかけられたなんて…高田純次が三億円事件の被疑者だったというのに負けない衝撃。そりゃ着ぐるみで街歩きしてたらね。2019/03/09
ビスケ
5
収穫だったのは、護法祭の体験記や作者の浅草時代の暮らしぶりを読めたこと。『ごはん日記』や初期の作品を読むと、すがすがしくてまっとうな印象を受けるいしいしんじだが、氏の中に広がる深い闇も魅力のひとつなんだと再確認。着ぐるみを着て街を徘徊していた話が印象深い。ウサギの着ぐるみ姿で酔っ払いに殴りかかるいしいしんじ……。ワイルド。2012/04/16
myaown
4
「ある一日」「みずうみ」に続いていしいしんじ作品3冊目。初出はyomyom(vol1から持っているが全然読んだ覚えがないぞ)編集者と共に各地を巡るこれはエッセイ集と言って良いのか?物語で感じた時間や空間を飛び越えて繋がるカンジがココでもしっかり感じられる。故に物語だろうがエッセイだろうがいしいしんじの紡ぎ出すもののテイストが揺るがない。もちろんエッセイなのでご自身のことが書かれてあるのだがご本人自身の今迄の生活そのものが絶対的なオリジナリティを発散し続けて来たからこその流れなのだろうな。2017/09/25
メルセ・ひすい
3
15-47 なんか、シンねりむっつりしつこそう。。住んでいた町、住んでいる町、住むかもしれない町。直島、高野山、大阪、天草、六本木、博多、ニューヨーク、松本、そして京都。なにかに導かれるように巡り歩いた、「遠足」の記録。2011/08/16
待つ子
3
すごく好き。エッセイだけど全てが繋がった縁の地図。最後の「間違った扉を開くと、そこには京都の写真がある」ああ〜わかる〜。2010/10/30