内容説明
未婚の母を決意したタマヨが食べたいという「たたみいわし」。幼なじみの墓参の帰りに居酒屋で味わう「かつおへそ」。元放蕩息子のロクさんが慈しみつつ食す「ひょうたん」…いつの時代も、つまみと酒は人生の極上の友だち。「江戸の達人」が贈る、酒と肴と男と女の「新・百物語」。自筆イラスト入り和風ポップな超・短編集。６年ぶりの新作。
目次
青ムロくさや
たたみいわし
とうふよう
さなぎ
またたび
がん漬け
ふきみそ
ふぐこぬかづけ
うばい
からすみ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
33
珍味、と一口に言っても、おいしくて珍しいがゆえに見た目や匂いがゲテモノっぽいことがある。うまいものは他人には食べさせたくない…という思いがあるかどうかはわからないが、何とも手を伸ばしたくないようなものも多い。私の大好物のイナゴの佃煮も出てくる。これもやはりおいしいけど苦手な人が見たら、ただの虫。エッセイなのかと思いきや珍味をとりまく小説風な短編？？？短くあっさりまとめている中に人間臭さがたっぷり含まれている。杉浦さん初読みだったが、癖になる作家さんでもある。杉浦さんは…珍味みたいな人だ。じんわり味がでる。2011/10/22
tama
25
図書館本 友人が読んでたので 文中イタリアの空港で甘党なエスプレッソを飲んでた親爺の言葉「シニョリーナ、苦いのは人生だけでたくさんさ」。くっそー、オラも言いたかっただよぉ。ホヤの塩辛は酒のアテに素晴らしいのですが、クリームチーズに乗っけて食べると更に滋味が広がりますぜ！これで飲む日本酒が好い！ピータンよりは台湾土産の鐵蛋の方が蒸留酒には合うと思う。ああーしばらく食ってないなぁ。そして浜納豆。いやー遠州地方に引っ越してきて知りました。浜松の食いもん。古代納豆だで。塩辛くて凄いだに。これで茶漬する人も。2017/11/01
林 一歩
25
様々な珍味を味付けにした掌編集。日本酒は苦手ですが、少量でも飲みたくなりました。杉浦女史の文体は繊細で大胆。男前な女性でした。2012/10/03
myunclek
22
美味しそうな肴満載で酔っ払いたくなる、そんなお話の数々。人生のほろ苦さが短文の中に散りばめられた、とっても素敵な本でした。初読みにもかかわらず、数時間で完読。いろんなもの食し、たんと酒も呑んで来たつもりだったけど、世の中知らないものだらけだ。生きてる間に、登場した珍味の幾つかに出逢いたいものだな。2018/03/05
星落秋風五丈原
22
「ちんみ」が誘う和風ポップな超・短編集。江戸の達人・杉浦が現代人に送る酒と肴と男と女の新・百物語。自筆イラストと小気味良い語り口に酔いしれます。未婚の母を決意したタマヨが食べたいという「たたみいわし」。幼なじみの墓参の帰りに居酒屋で味わう「かつおへそ」。元放蕩息子のロクさんが慈しみつつ食す「ひょうたん」…いつの時代も、つまみと酒は人生の極上の友だち。「江戸の達人」が贈る、酒と肴と男と女の「新・百物語」。自筆イラスト入り和風ポップな超・短編集。6年ぶりの新作。 2006/08/29
