内容説明
さまざまな色にたくされた愛を求める心の裏側にぴったりと寄り添うような深い闇。その闇を憎みつつその深さに酔わずにはいられない“私”たち…。しっとりとぼくの体にまとわり付く、声の血―赤。とろりとしたヴァセリンの塊をすくう彼の指―黄。心に刻み込まれてしまった黒子―黒。朝陽に輝く蜘蛛の糸の指輪―銀…それぞれの色から、孤独、愛への渇望、絶望と憎悪、そして再生が立ち上がってくる異色短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TANGO
15
12色の短編集。どこかで体感したかもしれない、傷みや苦みがあって、それでいて言葉に色がついているような、カラフルな物語。実際、本にも色紙が入っていて、なにかを思い出しそうになった。2013/06/05
井戸端アンジェリか
12
ジャケ買い。本文にも12色の色紙が差し込まれていて綺麗なので、思わず、いい仕事するよね本も幸せだわよと撫で撫でしてしまった。 12色の狂気にどちらかと言えば加害者側、いや積極的にか、いえいえ自然と加害者側に立ってゾクゾクした。美しすぎる母を持つ事って不幸なんだろうか。あ゛ー息子を産んでみたい。2015/10/26
ひなりん
0
言葉は色彩を持たないが、不思議と色が浮かびあがってくるほどに染み込んだ 人間の嫌な部分、気味の悪い部分が余すことなく書かれていてとても好き2019/02/26
kapiasou
0
装丁も好き②
ドリー
0
装填というか、話と話の間に色紙が挟まっているのも美しいです。