内容説明
日本で働き、死んでいった一人の外人娼婦―。華やかなライトを浴びる歌手の後ろのコーラス・ガール。ツアーを支える裏方スタッフ。皆が遊びに来るリゾート・ランドのホテルで働くおかあさん。北海道で生れ、育ち、これからも北海道で暮す女、酒場の女―。筆者中島みゆきが出逢った魅力的な女たちの様々な人生を鮮やかに描く、初の書き下ろし小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
陽
17
30年前に創刊された本だ。 シンガーソングライター中島みゆきのコンサートに纏わるエピソードかな? 人の観察目がプロだなと思う。 文章にリズムがあり、息継ぎ部分がアクセントになるような文だ。 さすが、作詞家。 有名ミュージシャンのコンサートってすごいんだな。 11tトレーラー2台、4tトラック1台の機材を運んで全国を回るんだ。 舞台制作に音響、照明と、スタッフ40名。 1人のミュージシャンを見るためには裏方がすごい。 その一人一人が、ちゃんと自己主張して、プライドを持ってプロの仕事をしているんだな。 2018/02/03
とよぽん
2
シンガーソングライターとしての、中島みゆきさんの「素」が伝わってくる物語でした。先月、コンサートの劇場版映画「縁会」を見てきましたが、やはり、ますます偉大な方だなあ、と思う次第です。2015/02/08
稲森
2
冒頭の「街の女」はわたしの好きな曲「エレーン」の元ネタである現実の話。エレーンの切ない歌詞は切ない現実から生まれていたのだなあと思いました。ヘレンが自分の仕事をモデルだと言った時やヘレンが「本物のドレスならいいでしょう?」と言った時わたしも「口をきかぬおまえの淋しさ」が聞こえたような気がしました。2012/05/05
須戸
1
著者が出会った女性について書かれたもの。 照明係の人の話、ホテルで働いている人の話は仕事場を覗いているような気分になった。
とも
1
みゆきさんのデビュー当時の逸話。自分の作った歌しか歌わない(歌えない)姿勢は今も変わらず。カバー全盛の昨今、みゆきさんの「川の流れのように」を聞いてみたい気もする。2016/03/19