内容説明
ロシアNo.1のモテ文豪、だけど本気で恋ができない?!うっかり共感しちゃうこと間違いなしの、新チェーホフ入門。
目次
第1話 小遣い稼ぎから
第2話 工房の秘密を捜して
第3話 恋と時間のたわむれ
第4話 長編への迷い道
第5話 短編小説の名品たち
第6話 おしゃべりな助走
第7話 “かもめ”は演劇“ワーニャ”は人生
第8話 “三人姉妹”“桜の園”の兄と弟
第9話 チェーホフの周辺飛行
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fseigojp
18
チェーホフをより深く知りたくなったら これ! 基本的に短編小説家だったチェーホフの創作の秘密を、同業でかつ短編作家として、語りつくしている。「チェーホフの余韻」というのは、有名らしい。後期短編集の解説として秀逸。トルストイのシェクスピア批判を引用しつつ、小説と戯曲の違いを丁寧に説明。村上春樹が1Q84で引用している『サハリン島』についても、ある程度書かれている。なお私的に好きな『谷間』(中編)は、言及がないが、フランス自然主義的で、あまりチェーホフ的でないと阿刀田氏は考えているのかな。2015/09/06
Ribes triste
15
チェーホフのよもやまエッセイ集。阿刀田さんがまるで落語のような軽快で洒脱な筆致で、チェーホフの作品の世界をみせてくれる。ちょっとネタバレすれすれだけど、これまで作品の解釈と愉しみ方を教えてくれる本は読んだことが無かったから、新鮮な気持ちになれました。またチェーホフが読みたくなりました。2020/02/22
Masakazu Fujino
12
チェーホフって、本当に不思議な作家だと思う。なんだかとりとめもないところがありながら、ついつい惹かれて舞台を何本も見ている。その魅力の秘密を丁寧に解説してもらった感あり。2023/03/30
てり
3
チェーホフを読む前にと思って手に取ったが、ある程度読んでからの方が良かったかな。チェーホフ好きな人がさらっと読んで楽しむ本、だと思う。2019/07/08
kappa
3
ロシア人の名前が覚えにくかった。この本を読むと、チェーホフは性格的に自己韜晦が顕著で、作品も何が言いたいのかよくわからないものが多いという印象である。「桜の園」は読んでみてもいいかなと思った。 阿刀田氏の「ビヘイビア」、「サムシング」頻出は相変わらず。2014/11/03