橋の上の霜

橋の上の霜

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  • サイズ B6判/ページ数 387p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103279068
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

山内正

4
おしずが死んだ、妻は先に帰ったと 囲い女として家に里世とも暮した それは男の理屈と弟が言う 法要に妻は出なかった いい思いで無い暮しに直次郎は悔む 墓参で見知りの順蔵に会い娘の苦労を聞かされる 使いだと玄関に行くと順蔵の娘が 桜の一枝と加賀の酒を届けに 順蔵の配慮に心が沁みる 妻との仲は醒めたままに 十五の息子が隣の女中に子を孕ませ 産まれると妻が醒めた声で 貴方に似たんです女好きはと どっちみち里子に出す子の顔なぞ 見たくも無いと息子に 冷酷なのは妻に似たと心の中で呟く2021/06/11

山内正

4
年始挨拶に蔦屋が来た お触れが厳しい故歴史書でもと おしずから息子を離し奉公さしてる 直次郎 勤めと狂歌の講義に忙しく おしずに構わなくなっていた 髪を結い厚化粧し人形を抱いてると 周りは心配する 戻った息子におしずの様子を話すが 気にも掛けずにある 頭の中が荒っぽく出来てるのか 離れのおしずの部屋に行き話し掛ける 直次郎が遠退く暮しで寂しい思いを こうなったのも己のせいだと 痩せて酒ばかり飲む暮らしに寺へ移そうと息子が手配し 変わり様に目を見張った 定吉さんは毎日良くしてくれます お別れにもう一度だけ 2021/05/23

山内正

4
遺言書を書き家族や先祖に申訳なく 身に覚えの無き落首に直次郎は思う 上司に身に覚えは無いかと問われた そちの本に卑劣なものとあるが 昨夜七江殿がこの本に書かれてると 根も葉もない噂と推量した それだけの才をお上の為に使えと 子供が噂で屋敷に来た男等の剣幕に 発作を起こし治療しなければと 手を尽くす事に 時勢が変わり又作者の取り調べが あり入牢かと噂も 直次郎は落ち着かない 京伝と馬琴と直次郎が身請けの相談に折りしくも会う始まりに 2021/03/10

山内正

3
穏やかに息を引き取った里世 何時も泣いてばかりの人生 苦労する為に生まれて来たような 息子が仮見習で出仕する様になる 十一月になり異常な奇声を発する様に 落ち着かぬか夢でも見たか? たった一人の倅が 嫁を近い内返して貰いたいと実家が 見舞いの菅江の枕元に小さくなった 年は越せないかと呟き 次の夜菅江は死んだ 私が死んだら夫の供養が出来ません と妻が言う、残りの人生を使うのか 自分はどうなのか 明日江戸を発つと七江の文が 行かれるか おさらばでございます 知らない足跡が雪の上に2021/08/20

山内正

3
息子定吉はどうも根気が無い 直次郎が組んだ学問も出来ずに 寝てしまう堪り兼ね井戸端で水を浴びせたが祖母に止められ暗然と 七年前発作で泡を吹かれた定吉 天明七年の大火で起こらなくなった 祖母は再発を恐れ甘やかす とても学問吟味に合格出来ないと 妹お幸は祖母に躾けられ学問も兄より優れてる 甥に頼み算術を学ばせる事に 死んだ祖母の帯の中に学問成就祈願があり、祈り続けた祖母にお前は何をした?と叱る 娘の縁談が進みせめて定吉の吟味が 合格する迄としやっと受かる 花嫁籠に乗り嫁に行った娘の部屋に 汚れた人形が胸を打つ2021/06/26

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