内容説明
17世紀に万有引力の法則を発見したニュートン。19世紀に四元数を発見したハミルトン。20世紀初頭に膨大な謎の公式を残し、32歳で亡くなったラマヌジャン。天才数学者として名を馳せた偉大な三人は、背負いきれない辛い出来事に直面し、その運命に翻弄される数奇な人生を送った。彼らの悩みとはいったい何だったのか。時代や家庭環境は、彼らの業績や人生にどんな影を投げかけたのか。それぞれの母国、イギリス、アイルランド、インドを旅し、彼らの生涯に思いを馳せる長篇エッセイ。
目次
神の声を求めて
アイルランドの悲劇と栄光
インドの事務員からの手紙
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Rali-s
2
奇跡がくれた数式を観たのがきっかけで再読。ラマヌジャンの項のみ。一神教の英国で、しかも無神論者のハーディ、敬虔なヒンドゥー教徒のラマヌジャン、対極的すぎる。彼は全て報われた訳ではないけれど、逆境の地で奮闘した意味は確かにあるのだと思う。数学者さん、やっぱりすごい。思えばこの本が「数学(関連)本」の面白さを教えてくれた最初の一冊だった。写真や絵画、文章に創作者のカラーが出るように、数式にも美意識がにじみ出るらしい。もっとも、わたしは数式の美しさの機微を感じ取れる能力は持ち合わせてません。うぅ、残念。2016/11/16
おにぎり
2
『数学において、新しい知見を得た瞬間とその後しばらくは、たとえようもない喜びに満たされるものである。並の数学者には年に一、二度だが、ラマヌジャンにはそれが毎日起きていた。人生で最も幸せな日々であった。誰よりも幸せな日々であった。』――数学的発見、それこそがこの世の何よりも幸せなことなのだ、っていうのは、数学に理解があって、なおかつそれへの憧憬を持ったことのある人間でないと出てこない文章だよなあ。著者の規格外天才への憧れと嫉妬から謙虚な尊敬までもが滲み出てて、ラマヌジャン編が一番深い。2011/12/22
Hiroshi
1
ニュートン、ハミルトン、ラマヌジャンの伝記と著者自身がゆかりの地を巡る旅行記。業績や出来事にのみ焦点を当てるだけではなくその環境の風土、時代性も含め内容に広がりを持っていた点が面白かった。2014/01/21
よしださいめい
1
まずますの主白さ。 もっと個々の伝記を読みたい。2013/04/18
月
1
タイトルと?インドの話は?一番短かった「ハミルトン」の恋物語は、ちょっとだけよかった。2010/08/24