内容説明
祖父・樺山資紀の思い出から、昭和天皇も遊びに来た富士の別荘のこと、幼い頃から夢中になった能や歌舞伎の名舞台、十四歳でのアメリカ留学、白洲次郎との結婚とヨーロッパへの新婚旅行、小林秀雄や河上徹太郎との交流…興味つきないエピソードの連続でぐいぐい読ませる、“韋駄天お正”待望の自伝。
目次
祖父・樺山資紀
ふたりの祖父
隼人の国
富士の裾野にて
母なる富士
故里は遠くにありて
麹町区永田町一丁目十七番地
わが一族
縁ふかき女性たち
あいのて〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さと
67
自由闊達、豪放磊落、破天荒・・・白洲正子 という名に収めておくにはもったいないほど 魂の欲するままの生き様でした。といっても世も違えば住む世界も違うお嬢様さながらの交流、見聞は感嘆につきる。生まれながらに与えられた環境によって得た眼識や感性によって良きものを良いといいつまらない くだらないとばっさり切り捨てたりするところは嫌味がなく気持ちいい。余計な味付けがされていない、まさに自伝でした。2015/10/17
うろん
7
登録漏れです。
Yuko
6
<祖父・樺山資紀の思い出、能や歌舞伎の名舞台、十四歳でのアメリカ留学、白州次郎との結婚、小林秀雄らとの交流など興味つきないエピソードの連続でぐいぐい読ませる、「韋駄天お正」待望の自伝。> 1994年 「かくれ里」よりずいぶんと読みやすかった。白洲正子を育んだ、家族、環境、場所、関りを初めて知り、個の資質への影響を思う。 2019/07/14
まーさん
2
[図書館]「自伝」から自分史のようなものを連想していたが、随筆、エッセイのような要素が多かった。白洲次郎の本を読んで興味を持ち、妻の視点から彼について書かれている部分があるかと期待していたが、彼についてはほとんど書かれていなかった。2013/10/31
amanon
2
そのエッセイの大半が、既読のものだったのにも関わらず、つい引き込まれて読み進めてしまった。著者にみなぎる瑞々しい感性にあてられたということだろうか?表紙に著者と映った幕末から明治と激動の時代を生きた著者の父方の祖父の姿に何とも言えない荘厳さを感じるが、その著者がビートたけしの発言に言及しているというのも、何か不思議な気がする。それはともかくとして、夫白洲次郎や青山二郎、小林秀雄との思い出話を綴ったエッセイは何度読んでも尽きない味わいがある。今後、こういうエッセイを書く人は出てこないだろうなと改めて思う。2012/06/01