内容説明
機に乗じては縦横に智略を働かせ、生れながらの猿面を人間的魅力に転じて主君・織田信長の心を掴む―。奇想天外の戦術を展開して戦国の世を駆け、日本の近世を切り開いた豊臣秀吉。乱世の英雄を現代に甦らせて、日本人の夢とロマンを描く傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
名言紹介屋ぼんぷ
15
『武士と百姓。 だけの社会だったこの世に、 商人というものが鮮かに登場し、 それが縦横無尽の活躍をはじめ、 ついに世の中は銭の世になりつつある。』#読了2023/11/15
手押し戦車
15
豊臣秀吉は誰からも好かれ、凄い人気がある。織田信長は人気がない。いくら強くても人気がないと最後は悲惨になる。人間は嫌われる態度や人の楽しみ奪ったり威張ったりしたら嫌われる。秀吉は笑顔があり、そして気持ちの良い「はい」を言えるツキを呼び寄せるコツを心得ている。闇言葉は闇を引き寄せどんなに才能や実力があっても闇を打ち消すことは出来ない。明るい言葉を普段から意識していると周りに人が集まり好かれて行く。旅行で観光地に行くのも人が光のある明るい所に行くのが好きな証拠。自らが明るく優しくいると大きくなって行く2015/03/04
超運河 良
6
秀吉さんは凄い返事がよくて周囲に気持ちのいい「はい」を言えるんだね!返事って凄いよね。戦国時代は気持ちのよい返事をしてると人気もになるんだね!明るい言葉を使うときは返事一つで人生が変わるんだね。よく気の抜けた返事をしていると頼まれ事も少なくなるよね!気持ちのいい返事ほど頼まれごとの人生になって気がついたら天下をとって人気者の人生になるんだね!今の人生でも気持ちのいい返事をするだけで頼まれ事が増えて、気がついたら好きなことだけをしてる人生になるんだね!凄いことを再読して確信した!2015/08/24
ナオデラ
6
藤吉郎の人物観察眼、人心掌握術、そして行動力の凄まじさ。ちょうど大河でやってる官兵衛と半兵衛も活躍したりして。商業交易を中心にした現代日本経済の基はこの男が築いたんですね。2014/01/31
ナハチガル
4
文禄・慶長の役についての小説が読みたくて、とりあえず司馬さんを読んでみたら、なんと九州征伐の前に終わってしまった。てっきり生涯が描かれているものと思ってたんだけど。まあ面白かったからいいけど。秀吉も小説全体も根が明るく、戦争が企業のプロジェクトのようにも読めるので、サラリーマンに人気があるというのもうなずける。「秀吉にとって、史上のどの武将ともちがうところは、かれには戦争は土木工事であることであった」「世間は他人の批評をするときにはすべて道徳家になる」A+。2020/11/22