内容説明
懐かしい人々の思い出とともに鮮やかによみがえる味。おいしいもの大好き、阿川弘之の滋味深い食べ物エッセイ決定版。
目次
米の味・カレーの味
ひじきの二度めし
牛の尾のシチュー
ビール雑話
チーズの思ひ出
鰻
船の食事
まむし紀行
サンドイッチ
ハワイの美味
讃酒歌
かいぐん
弁当恋しや
土筆づくし
ブルネイ料理
鯛の潮汁
鮎
卵料理さまざま
茸
福沢諭吉と鰹節
ビフテキとカツレツ
物くるる友
鮨とキャビアの物語
味の素
蟹狂乱
食堂車の思ひ出
甘味談義
置土産
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nyanlay
10
歴史上仮名使いなので、スラスラとはさすがに読めませんでしたが、戦前、戦中、戦後、そして現代の食文化の流れが興味をそそられます。食エッセイで有名な?阿川佐和子さんのお父上ならば当たり前でしょうね。佐和子さんの作品にも出てきていたそうめんの食べ方。美味しそうと思いつつ、結局この夏は忘れてた~。2015/09/15
ミノカサゴ134
3
他の方々も書いていましたが、この本、旧かな使いで書かれています。でも、それがこの本の内容に相応しい感じで、それほどの難しさや違和感を感じずに、楽しく読めました。読売文学賞を受賞したそうだけど、食べ物のことを書いて、いやらしくなく、むしろ品の良さや、格調の高さを感じるのは、著者の人徳と見識によるものなのでしょうね。山本五十六、米内光政、井上成美を読み、深い感銘を覚えましたが、この本も、「最後」の「本物」の文士が書いた、食の「随筆」として感銘を受けました。2018/09/15
Mac Kurosawa
2
図書館本。忙しくてなかなか思うように読書の時間を作れなかったことも一因だが、他の方も言っている様に、自分で考えていたよりはるかに旧仮名遣いに手こずった。けれど、非常に興味深く面白かった。大正から昭和、平成にかけての阿川弘之氏の経験に基づく美味いもの談話から、文献に書かれたもっと古い話など、時代も食の種類も多岐にわたる。このエッセイが書かれたのが1997〜2000年のことなので割と最近の事と認識していたのだが、読んでいると意外とズレが大きく、15年も経つとここまで色々変わるのかとしみじみ思った。2015/11/08
夢仙人
1
いろいろと食べたいものが出来た。しかし、阿川弘之の本は面白い。2011/10/16
呑司 ゛クリケット“苅岡
0
食の本は著者の趣味がそのまま出現するから面白いモノが多い。それが食を生業としていない人のモノとそうではないモノとの差はあるものの、そのひととなりが分かって、その著者を知り、勝手に酒肴を共にしているような錯覚さえ覚える。この著作は2000年前後の話なのに旧仮名遣いで書かれていることが不思議と心地よい。蚊の目玉、栗鼠の糞、ヒジキの二度めし未だ口にすることのないモノに出会うことが出来たらと思いながら、アンギラスのアヒージョをドライマティーニで流し込む夢を見た。2023/07/13