内容説明
熾烈な陪審員買収工作が水面下で進行するなか、被告側陪審コンサルタントの親玉フィッチに近づいた謎の美女マーリー。彼女は、友人である陪審員ニコラスが評決の鍵を握っているという。はたしてマーリーの目的は何なのか?そして、勝利の女神は原告・被告どちらに微笑むのか…全米の一大産業に挑んだ一組の男女の孤独な闘い。その裏に隠された真の思惑が、いま明らかになる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
背番号10@せばてん。
31
2000年10月3日読了。ジョン・キューザック主演、映画の邦題は『ニューオーリンズ・トライアル』。もちろん、あらすじは忘却の彼方。2000/10/03
あちこ
9
オチはなんだかんだ読めつつも、被告側コンサルタント:フィッチとマーリーのやりとりや、個性豊かな陪審員たちが面白かった! 悪いやつなんだけど、すぐ喜んだり怒ったり、フィッチがなんとなく憎めないキャラ。しかし、タバコなんて自己責任だよねって思う。吸うのも、それで中毒になるのも、肺がんになるのもね。かっこいい広告に惹かれて吸い始めて、中毒にさせられて、辞めたくてもやめられなかった、タバコ会社のせいだ! って。わたしなら、好きでやってた事だろ知らんがなってなるわ笑2018/03/19
アッシュ姉
4
★★★★
ことよん
3
アメリカの陪審制度、そしてその中での駆け引きが、よくわかった小説でした。主人公が何を狙っていたのかは、なかなかわからなかったですが、その引っ貼られ方も、面白かったです。2021/09/10
KJ
3
喫煙は個人の自由な選択という論理を当然と受け入れている時点でタバコ業界の術中に嵌まっている。莫大な資金力で広告を展開し喫煙へと誘導し強い中毒性に因って抜け出せなくする。結果的に健康被害が生じたら自己責任では横暴さが目に余る。自分の主体的な選択が実は誰かの意図で操られている事を疑いたくなる。想像を絶する裁判が繰り広げられるアメリカ。正義や権利の次元を超えて訴訟が産業として成立している実態が伺える。敵対する相手の強大さや卑劣さを実感した所で熾烈な駆け引きを制して鮮やかに出し抜く。最後のカタルシスは痛快だった。2021/05/31