新潮文庫
シーズザデイ〈下〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 321p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101438160
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

突然現われた美人ダイバーの稲森は、16年前のヨットの沈没位置を示す海図を船越に手渡す。まもなく、沈船に同乗していた元恋人、美貌と狂気の月子から連絡が入る。内緒で産んだ船越の娘が妊娠し出奔したという。さらに出生前に消えた父の行方が突如脳裏に閃く…船越は直感した。次々と降りかかる苛酷な運命は全て、深いうねりの底で繋がっている、と。彼は再び太平洋に挑む決意をした。

著者等紹介

鈴木光司[スズキコウジ]
1957(昭和32)年、静岡県浜松市生れ。’90(平成2)年『楽園』で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し作家デビュー。’91年に刊行された『リング』が圧倒的に支持され、その続編『らせん』で吉川英治文学新人賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みっぴー

59
陸を離れた海という場所。そこは容赦なく人の醜い部分をさらしてしまうのだな、と恐怖を感じました。閉ざされたキャビンの中で他人と過ごす……ほんの少し協調性の無い人がいるだけでも関係が崩れて取り返しのつかないことになります。なるほど納得です。下巻は南の島の綺麗な海やのんびりした空気が伝わってきて、いいなーいいなーの連呼。陽子ちゃんのその後が気になるところですが、ハッピーエンドでひと安心。海は偉大だ。2017/07/24

かずくん

3
文庫ではなく単行本で読んだ。はじめヨットのはなしと思って読んでいたら、因果 あるいは輪廻 の話かと思った2019/07/16

鮎川まどか@AnxAn

3
下巻。過去の出来事が要所要所に挟まれ、加速度的に面白くなっていく。 海洋冒険と家族の縁という鈴木らしいテーマが盛り込まれた一冊。 久々に素晴らしいラストを見た気がする。 傑作。2011/09/19

Tetchy

2
自然を相手にした趣味を持つ者は神々の恩恵、畏敬そして神の配剤という物を肌で感じるのだろうか。しかしそれにしても偶然が重なりすぎ。この見えざる力による主人公の行動を逐一納得させるために作者が自身の考えを執拗に開陳しており、これが押し付けがましさを感じさせ、逆効果となっているように思えた。下世話な云い方をすれば、俺はこういう風に思う、そうだろ?そうだろ?と何度も同じような話を聞かされているようで、しかも自分で紡いだ話を証拠として、ほらなとしたり顔をしているように感じた。昔のジャンプの漫画みたいな設定だなぁ。2010/03/09

卯月

1
船越は陽子とヨットでパラオへ、そして17年前の海域へ。事故は何故起きたか。閉鎖環境での人間関係悪化、月子が一番悪いが、乗せた船越も大馬鹿。話は面白く、初読時は全てのパズルが綺麗にはまるのが快感だった。今回は再読で内容知ってて冷静なせいか、二十代で悲惨な経験したのは分かるが、“船越の願望がパーフェクトに充足された話”と思う。離婚直後に出会った若く魅力的な女性、血を分けた娘、過去の克服。息子が納得したら船越母の立場がない。上の世代の歪みが全て蓄積してしまった陽子の、今後の人生が素晴らしいものでありますように。2016/07/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/554950
  • ご注意事項