出版社内容情報
美容師の舞は、結婚して一年になる夫に対し暴力を振るう自分を止められずにいた。ある晩、彼への暴力から逃れるように家を出ると、店の客である希子と遇う。同じマンションの住人と知り、二人は交流を重ねるが、希子は舞の夫のある秘密を抱え、舞に近づいていた。白壁の棲家で紡がれる歪な愛の支配にもがきながら、やがて渾然一体と追い詰められる女たち。怒濤の展開に息をのむ、衝撃の物語!
青山 七恵[アオヤマ ナナエ]
著・文・その他
内容説明
美容師の舞は、結婚して一年になる夫に対し暴力を振るう自分を止められずにいた。ある晩、彼への暴力から逃れるように家を出ると、店の客である希子と遇う。同じマンションの住人と知り、二人は交流を重ねるが、希子は舞の夫のある秘密を抱え、舞に近づいていた。白壁の棲家で紡がれる歪な愛の支配にもがきながら、やがて渾然一体と追い詰められる女たち。怒涛の展開に息をのむ、衝撃の物語!
著者等紹介
青山七恵[アオヤマナナエ]
1983(昭和58)年、埼玉県生れ。筑波大学図書館情報専門学群卒業。2005(平成17)年「窓の灯」で文藝賞受賞。’07年「ひとり日和」で芥川賞受賞。’09年「かけら」で川端康成文学賞を最年少で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えみ
65
角度を変えてあらゆる方面から覗いてみたけれど、やはりこれは尋常じゃない人間たちの歪んだ物語だった。美容師の舞は自分の店を持ち、結婚もして、人生それなりにうまくいっている女性…のはずなのに裏の貌は夫に暴力をふるうDV女!そしてその妻からの理不尽な暴力にただただ反抗もしないで堪える夫、優しく健気、こんなにいい人はいない…と思ったら、この夫怖すぎる!!身の毛がよだつ夫・孝の本性、裏の貌に不気味さを感じずにはいられない。そんな夫婦の住むマンションの住人・希子はこれまた一見自立している女性に見えたが…。歪さに悪寒。2022/08/27
優希
47
ただ、ひたすら怖かったです。歪な闇に投げ込まれたような感覚に陥りました。2023/06/02
ピロ麻呂
43
う~ん(^_^;)読みにくい文章ではないのだけれど、舞、希子、ミスミ…誰にも全く共感できず。理解不能な言動も多いし、??の連続(>_<)疲れました…2019/04/19
エドワード
37
ヘアサロン経営の舞の前に現れた不思議な女、同じマンションに住む、希子。前半は舞から見た希子の奇行。しかし舞も夫の孝と対等になろうという幻想にとらわれてDVを起こす。希子は不審な行動が目立つ恋人・道郎への懐疑に悩む。後半は一転、希子から見た舞の奇行が描かれる。全員の言動が奇妙だ。孝と希子が5年前からの知人という怪しさ。人が信じられなくなるね。舞と希子が合わせ鏡のようにお互いを監視している姿が怖い。首を絞めあうように四人が追い込まれていく様が痛々しい。繭とはマンションの一室、現代人の孤独の象徴なのだろう。2020/07/28
coco夏ko10角
29
青山七恵さんの作品って合うのと合わないのがあって、内容紹介で「これは合わない方かも…」と察したけど、やっぱりちょっと。最初は暴力女の舞が嫌だったけど、ある意味分かりやすいかも。それに対してこの夫が何を考えてるか、というより思考回路がどうなってるのか全く分からなくて確かに怖い。でもこの二人はもうプレイみたいな面もあるのかな。そうすると希子と道郎の方がより分からないかも…。2019/07/12