新潮文庫<br> パーマネント野ばら

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新潮文庫
パーマネント野ばら

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  • サイズ 文庫判/ページ数 1冊(ペ/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101370712
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0179

内容説明

港町にひとつの美容院、「パーマネント野ばら」。ここは女のザンゲ室。まいにち村の女たちが、恋にまつわる小さな嘘や記憶を告白していく。昨日男に裏切られ泣いたとしても、明日また男を愛しくおもう女の不思議。ずっと好きより、いま大好きの瞬間を逃したくない女の謎。俗っぽくてだめだめな恋にもひそむ、可愛くて神聖なきらきらをすくいあげた、叙情的作品の最高傑作。

著者等紹介

西原理恵子[サイバラリエコ]
1964(昭和39)年、高知県生れ。武蔵野美術大学卒。同校在学中の’88年、週刊ヤングサンデー『ちくろ幼稚園』でデビュー。’97年に『ぼくんち』で文藝春秋漫画賞、2005年には『上京ものがたり』『毎日かあさん』で手塚治虫文化賞短編賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

218
美容院でパーマをかける。パーマはパーマネントの略。 わざわざ略さずに、パーマネントと呼ぶところが律儀。 野ばらは、野の薔薇。世の中の現実の綺麗なもの。 派手な絵と、しんみりした絵が、良い感じで混ざっている。 人の気持ちの揺れを、ゆらゆら表現している。 西原理恵子は、本当に芯がしっかりした信じることができる作家だ。 新潮45に2004年から2006年にかけて掲載していたものの単行本の文庫化。2013/06/19

❁かな❁

167
西原理恵子さん作品初読み!西原さんスゴイ★絵のタッチと下品な会話もあったりして、どんなお話かと思っていたら、いろんな言葉にじーんとして最後には涙してしまいました(இдஇ; )泣いてしまうとは思ってもなかったのでびっくり!「パーマネント野ばら」は港町にある美容室。村の女性達が集い赤裸々に恋の話を語ったりします。いくつになって恋をして切ない思いや寂しい思いを繰り返す。皆の優しさが胸に沁みます。悲しく逞しく温かい作品*『好きやずっとはどこにもないから私はまいにちうそをつく』とても良かったので映画も観たいです♪2015/05/07

海猫

116
西原理恵子はエッセイ的な漫画を読んだことはあるけれど、こういうタイプの作品は初めて読むのでインパクトがあった。出てくる人物や場所、エピソードに異常なリアリティーがある。これって自伝的フィクションっていうやつなんかねー?出てくる女性の会話はシモネタがドギツいし、見た目の絵面も強烈だが、一話一話が短くてモノローグが詩的なので中和されてる感じ。あとコミカルで大胆な絵柄が作品のインパクトを上げているように思う。一方で叙情的な風景はよく描けていて、雰囲気がある。これの映画化作品があるそうなので、折を見て鑑賞したい。2021/02/14

しいたけ

100
娘が録画した映画『パーマネントのばら』。もう感動しちゃってと言うので映画は楽しみに後回し、こちらを先に読んだ。「そらもう女は年いくと どれもこれも立派な妖怪やわっ」強烈であけすけでお下品な女たち。見てきた風景に重なり甘酸っぱくなる。武器を持たない女たちは、素手で男にかかっていく。食らいつく。へし折る。逃げられる。許す。何でも持ってるふりして人を見下す下衆よりも、人の不幸を馬鹿笑いで吹き飛ばす女たちは、何と格好のいいことか。「こんなおばさんがどこにいくのか。こっそりのぞく、人の不安はみんなとてもおかしい」2016/10/19

chimako

94
下品で騒がしくて切なくて悲しい。西原さんにこんな漫画描かせたら天下一品。女はいくつになっても恋や恋!パーマネント野ばらは女の懺悔室。泣いて怒って笑って泣いて。元気なおばちゃんたちのパンチパーマはお任せください。あばずれだったみんながこぼす一言の本音。貧乏だったけど一番幸せだった頃に戻ってしまったおじちゃんや女の定期預金満タンにして旦那を刺したひろこちゃん。嘘つきのまま死んでしまったけいちゃん。エピソードのひとつずつを笑いながらしんみりしてしまう自分がいる。2016/08/31

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