新潮文庫
人事異動

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  • サイズ 文庫判/ページ数 297p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101303307
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

一流商社・光陵商事の新井治夫は、ロンドン駐在から帰国まもなく、退社を決意して社内を驚かせる。出世コースを歩んではいたが、その心中には商社に巣くう理不尽な組織体質への鬱憤が積もっていた。転職先は、急成長中の電子部品メーカー・サンライト。新天地で新井は再び頭角を現すが、この会社でも組織は腐臭を放つ。それは、人事までも壟断する「女帝」=社長夫人から漂っていた。

著者等紹介

高杉良[タカスギリョウ]
1939(昭和14)年、東京生れ。化学専門紙記者、編集長を経て、’75年「虚構の城」で作家デビュー。以来、経済界全般にわたって材を得て、綿密な取材で裏打ちした問題作、話題作を次々に発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

TATA

41
職場文庫から。時代は高度経済成長期。主人公新井は、東大を卒業し一流商社に入社、更に電子部品メーカーに転職。圧倒的な実務能力はあるものの清濁併せ呑むということができず、権謀術数の中で苦悩する日々。そこは流石に島耕作のようにはいかない。池井戸さんの作品ほどには屈辱からの逆転劇という展開はないのであっさり終わった感じはあるのですが、まあ、そこまで劇的ではなくともいいのかなと。その分こっちの方が現実に沿っているようにも思えるし読者の共感は得られるのでしょうね。2022/07/19

June

26
40年近くも前の小説だが、サラリーマン人生は今もこんなものなのかな。会社決定の不本意な方針に臍を噛んで仕事したり、権力闘争にうんざりしたり、海外赴任・出張や佳境に入った仕事のために、家族を愛していても傍にいる事が叶わなかったり。何をどれだけ優先して折り合いをつけていくかは人それぞれによるのだろうけれども。商社から電子部品メーカーに転職した男の半生。主人公の新井は信念があり仕事ができてカッコ良すぎ。病気の妻には本心を言えず、頼れる親族すらなく、腹を割って語れる友人もいない。こんなに強い人はいないでしょう?2018/08/17

ドッケン

16
自分もサラリーマンですが、できれば主人公の様に真面目に自分の意見を言って会社人生を終えたいなと思いました。2023/04/16

誰かのプリン

16
ライバルとの競争、時には汚いやり方でライバルを蹴落とす。サラリーマン生活も楽ではありません。★★★★2019/09/06

hiro-yo

14
出張へ向かう機中で読了。読みやすい本でした。山崎豊子さん作の「沈まぬ太陽」を想い出しました。超巨大企業とオーナー企業の違いはあるが、企業の中で全うに生きることはそんなに難しいことなのか。両書とも作は古いが、全く古さを感じさせないということは現代にも通用する話しなんでしょう。リアルでした。2016/11/07

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