内容説明
加賀の海から水死体で発見された男。北海道・余市の自宅には、底に「卯」の字のある一体の古い素焼き人形が残されていた。事件から五年、かすかに残った男の足跡を辿る浅見光彦は、北九州・北陸・北海道を結ぶ長大なラインに行き当たる。それは江戸から明治期に栄華を極めた、北前船の航路と重なっていた。列島を縦断し歴史を遡る光彦の推理。ついに驚愕の真実が、日本海から姿を現す。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
1934(昭和9)年、東京生れ。コピーライター、CM制作会社社長を経て、’80年『死者の木霊』で作家デビュー。’82年からは作家業に専念。名探偵・浅見光彦が登場する数々の作品は、テレビ化・映画化もされ、多くの読者の圧倒的支持を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Taka
32
この作家さん、2冊目。お蔵入りした殺人事件を、雑誌記者の肩書きを持つ探偵が、僅かな手掛かりから様々な推理を駆使して解決に導いていく話し。主人公のパワフルな活躍ぶりや、日本列島を北から南へと縦断しながら話しが展開していくスケールの大きさ。これは面白い!2017/12/19
sarie
13
光彦シリーズ第92弾。舞台は北海道余市町から石川県加賀市、九州までの広範囲。 ドラマにもなった話で物語自体は面白かったのですが、ラストは私の好きではないモヤモヤ系なのでが少し残念でした。 2016/03/11
雨巫女。@新潮部
13
《私‐図書館》大作でした。下関までまさか、登場するなんて。(本籍地です。しかし、住んだことなし。)予想外な展開で、ドラマ化難しいだろうなあ、待て、最近テレビドラマされてたね。2011/10/22
suika
4
今回のテーマは北前船。北海道から北陸、九州にかけて運行されていた北前船同様、浅見の調査も忙しく各地を転々としています。調べるのが5年前の事件の為、手掛かりがほとんどなく難航するのですが、形見の人形から突破口を見出し、故人のルーツを探り当てたのはさすがです。華々しいスター女優の秘められた過去の陰で悲運な人生を歩んできた男・・・被害者の人生を思うと本当に辛いです。犯人の身の処し方については毎度問題になるのですが、5年前の事件を調べ直して結局未解決で幕引きでは納得できない。きちんと解決して欲しかったです。 2014/03/31
IamG
2
真相自体は意外でも何でもなく、いつもの内田さん風。キャラクター造形がうまい。2007/03/30