内容説明
梟雄・斎藤道三は、史上に二人いた―刀匠おどろ丸は、魔を宿すといわれる秘剣櫂扇の鍛冶技を捨てて、山を下りた。京で次期将軍暗殺の陰謀に巻き込まれ、目覚めたのは、国を斬り取るという野心。乱の絶えない国こそ、世に出るべき地と美濃へ落ちた。櫂扇を闇に葬らんとする影の集団と刃をまじえながら、おどろ丸は、武将への地歩を築いて行く。戦国の息吹を勇躍と描いた大巨編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おぎにゃん
5
後の世に「斎藤道三」として知られる、戦国屈指の梟雄を描く…おどろ丸に降りかかる執拗なまでの「悲劇」。ありとあらゆる「悲しみ」や「苦しみ」が、庄九郎の夢を目指して旅立つシーンへと繋がってゆく。そんな見事な筆致に心が踊った…総ての犠牲は、大いなる夢のため!夢を叶えることこそが、亡き者に対する最大の弔いとなるのだ!…長い雌伏の時は終わりを告げた。いざ、中巻へ。2014/04/20
DearestAnna0109
1
本作品は上中下の3巻構成です。 上巻だけで567ページあるのですがタイトルにもある主人公の斎藤道三はなんとまだ登場しませんでした(ある意味最後の方で登場していると言えますが)笑この巻の時代背景が応仁の乱(日本史の中でも一番ごちゃごちゃの印象があります)前後なので、似たような名前が多数登場してちょっと把握しにくかったです。 司馬遼太郎さんの書く歴史物とは趣が違い、史実を基本にはしているがそこにより柔軟に読み物としての楽しさを加えて、例えば本作なら忍びの衆を多数登場させて活劇的楽しさを演出されています。 2021/06/04
中島直人
1
強烈な個性と個性がぶつかり合い、やたらと人が死んでいく…作者、宮本昌孝の本領発揮の作品か。あまり好きな作風ではないのだけれど、怖いもの見たさというか、麻薬のような魅力で引き摺り込まれる感じ。さて、中巻では、どんな展開を見せるのか。2013/12/22
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0
×2015/04/06
えびえび
0
この人、妖刀好きですね~道三が伝説の刀鍛冶ってだけでかなりぶっ飛んだ内容です。さすがに人外の化け物はでてきませんが、おどろ丸は超人的な活躍をします。伝奇的な小説がお好き方にオススメかな~2013/06/29