新潮文庫
触身仏―蓮丈那智フィールドファイル〈2〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 319p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101207223
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「わが村には特殊な道祖神が祀られている。」美貌の民俗学者・蓮丈那智のもとに届いた手紙。神すなわち即身仏なのだという。彼女は、さっそく助手の内藤三国と調査に赴く。だが調査を終えた後、手紙の差出人が失踪してしまった―。那智はいにしえの悲劇の封印を解き、現代の事件を解決する(表題作)。山人伝説、大黒天、三種の神器、密閉された昏い記憶。本格民俗学ミステリ集。

著者等紹介

北森鴻[キタモリコウ]
1961(昭和36)年、山口県生れ。フリーランスのライターとして活動する傍ら、’95(平成7)年に『狂乱廿四孝』で鮎川哲也賞を受賞しデビュー。’99年には短編連作『花の下にて春死なむ』で日本推理作家協会賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yu

108
じっくり読もうと思ったのに、やっぱり夢中で読み終わってしまった。 相変わらず、民俗学に無知な人間にとってはちんぷんかんぷんな専門用語が大量に出てくるけれど、それでもぐいぐい物語に引き込まれていくこの魅力。 北森さん作品に今のところはずれなし!3作目も購入済みだけど、勿体ないのでしばらく間おいてから読むことにします。 那智さんにディープキスされたミクニの心の声がよかったなぁ。『那智、お前の一生は俺が面倒見てやる。黙ってついてこんかい』 彼にその言葉を現実に発する度胸はないだろうね(笑)。2013/06/22

nobby

95
シリーズ2作目。前作読了も随分前なので、もっと仏像やらにスポットを当てていた印象が強かったのだが…収められた短編5つとも古事記や日本書記など伝承・言い伝えによる民俗学そのもの。こうなると、なかなか理解が難しい事柄多し…ただ、那智と三國のキャラを活かしたエピソードが増えて面白い。もう少しミステリーを複雑にした長編を読みたいが、そうなると民俗学にますます置いていかれるかな(笑)このまま完全な理解は求めず、軽めに続編も追いかけていきたい。2016/10/12

五右衛門

82
読了。引き続き短編集でした。はまっちゃいましたよ。この作風?お二人の(終盤3人)の掛け合い?すーっと物語に入り込んでミクニの立場で一緒に謎解きをしているような。それに各短編の題材も面白いものばかり(私の好きなネタ)厳選されており尚更です。でも先生!割と落ちたり襲われたりしてません?気をつけましょうね。よし!次行ってみよう!2021/11/09

あつひめ

77
昔、シャーロック・ホームズシリーズを立てつづけに読んだ時のように、続けて読んでも飽きない。それよりもどんどん蓮丈の中性的な魅力に惹かれる。時々ミクニにトコヨの世界を見せるように小悪魔的な面を見せる蓮丈もまたヨシ。民俗学と言うちょっととっつきにくい学問の謎に、現代の謎がプラスされて事件になっていく。昔も今も人の欲望が引き金になっているものが多いことにも気づく。前作よりもまた面白く引き付けられてしまう。2作目でこんなに面白かったら、3作目はどうなってしまうのだろうと変な疑問を持ちながら、3作目に手を伸ばす。2012/12/17

ままこ

76
蓮丈那智シリーズ2作目。「民俗学って、まるで推理小説みたいですね」この三国の言葉に頷ける。今作も民俗学の解析とフィールドワーク中に出くわす事件の謎を楽しめた。那智先生に翻弄される三国の心の声も笑える。『大黒闇』〈最後の処方箋〉の効能は恐ろしいな…。『死満瓊』那智先生大胆‼︎三国役得⁉︎『触身仏』非常に特殊な形状の塞の神とは…。『御蔭講』わらしべ長者伝説に関する解析も意外性があり面白かった。2018/04/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/533645
  • ご注意事項