内容説明
〈ビデオ・ギャラリー〉のイタリア取材に、女性スタッフとして加わった森口恵。彼女は同行した青年演出家の津山章司に強く惹かれた。しかし、彼の背後には大人の女の魅力を感じさせる丹野燿子の影が…。真紅のケシに彩られた中世都市アッシジを舞台に、美貌の青年をめぐり、成熟した妖艶な女性と若く大胆な娘が奏でる危険な愛のコンチェルト―。表題作など4編を収める恋愛小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ja^2
8
五木寛之は十代の頃、愛読書だった。小説もさることながら彼のエッセイが好きだった。久しぶりに読んでみて、身近な恋愛模様に芸術や観光の造詣を絡めるなど、あらためて上手い作家だなと感心した。▼だがしかし──、何か物足りない。どこか予定調和的なのだ。例えが適切かわからないが、安定のテレビドラマを見ているような気がする。そこに映画のような深みはない。▼具体的にいえば、主人公は3編とも中年の男だが、彼らの心情をもっと掘り下げて欲しかったように思う。だが、純文学ではなく、大衆小説なのだから、それで良いのだ。きっと。2018/06/17
Taito Alkara
8
男の妄想? と思えるような、あまりしっくり来ない短編集でした。2017/04/26
世玖珠ありす
3
海外を舞台にした3編の中編集。イタリア、スウェーデン、ギリシャ~トルコ。でも主要な登場人物はすべて日本人。美貌の青年をめぐって妖艶な熟女と若く大胆な娘との恋のバトルや恋人の死の謎を追う美女と中年ガイドとの一夜のアバンチュールなど。まるでその場にいるような海外のロケーションの描写はさすがです。2011/03/07
やまとまと
2
無謀な若さゆえの情熱を忘れてしまったのはいつだろう2017/10/06
ohashi
2
あるところにはある、ならば、自分はあるところに属している2014/08/01