内容説明
妻とは、妻の座とは、新婚の日に描いた淡い夢でしかなかったのか?西原晶子、32歳。夫の庄一郎は建設会社の常務で、一人娘の絵美子は素直な明るい少女である。隣家の宝石デザイナー、志麻から夫の浮気をほのめかされた彼女は、銀座のバー・ホステス治と対面して、その聡明さに打ちのめされた…。美貌の人妻晶子の動揺を主軸に、結婚生活の夢と現実を実感こめて描く長編小説。
著者等紹介
瀬戸内晴美[セトウチハルミ]
1922(大正11)年、徳島生れ。東京女子大学卒。学生結婚7年目に離婚。’57(昭和32)年「女子大生・曲愛玲」で新潮社同人雑誌賞受賞。’61年『田村俊子』で田村俊子賞、’63年『夏の終り』で女流文学賞を受賞。’73年11月14日平泉中尊寺で得度。法名寂聴。’92(平成4)年『花に問え』で谷崎潤一郎賞、’96年『白道』で芸術選奨、2001年に『場所』で野間文芸賞を受賞。文化功労者
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