新潮文庫<br> 弔辞大全〈1〉友よ、さらば

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新潮文庫
弔辞大全〈1〉友よ、さらば

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  • サイズ 文庫判/ページ数 241p
  • 商品コード 9784101128146
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0191

内容説明

明治から現代にいたる小説家や詩人たちの死に際して書かれた弔辞を集成した異色の書。硯友社の総帥として明治文壇に大きな足跡を残した尾崎紅葉が没した時に門下の泉鏡花が寄せた弔辞、絢爛たる美的世界を築き上げた三島由紀夫が自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺を遂げた時に武田泰淳がたむけた弔辞など、慟哭の思いをこめて捧げられた鎮魂歌55編。

目次

北村透谷(島崎藤村)
正岡子規(安藤橡面坊)
尾崎紅葉(泉鏡花)
川上眉山(石橋思案)
国木田独歩(田山花袋)
石川啄木(若山牧水)
夏目漱石(芥川龍之介)
島村抱月(松井須磨子)
森鴎外(永井荷風)
芥川龍之介(菊池寛)
徳冨蘆花(徳富蘇峰)
葛西善蔵(谷崎精二)
若山牧水(北原白秋)
小林多喜二(日本プロレタリア文化連盟)
宮沢賢治(儀府成一)
与謝野寛(佐藤春夫)
牧野信一(坂口安吾)
中原中也(小林秀雄)
岡本かの子(岡本一平)
立原道造(室生犀星)
萩原朔太郎(三好達治)
与謝野晶子(高村光太郎)
北原白秋(福士幸次郎)
島崎藤村(徳富蘇峰)
徳田秋声(正宗白鳥)
織田作之助(杉山平一)
幸田露伴(山本有三)
横光利一(川端康成)
太宰治(今官一)
田中英光(豊島与志雄)
宮本百合子(細川嘉六)
前田夕暮(折口信夫)
林芙美子(平林たい子)
斎藤茂吉(土屋文明)
堀辰雄(室生犀星)
岸田国士(三好達治)
坂口安吾(石川淳)
高村光太郎(戸来九左衛門)
室生犀星(佐藤春夫)
佐藤春夫(川端康成)
谷崎潤一郎(舟橋聖一)
壷井栄(佐多稲子)
伊藤整(瀬沼茂樹)
三島由紀夫(武田泰淳)
高橋和巳(小田実)
志賀直哉(武者小路実篤)
川端康成(丹羽文雄)
椎名麟三(大江健三郎)
金子光晴(草野心平)
檀一雄(尾崎一雄)
舟橋聖一(丹羽文雄)
武者小路実篤(中川一政)
武田泰淳(山本健吉)
福永武彦(堀田善衛)
西脇順三郎(山本健吉)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

saba

3
対象は作家や詩人、文筆家で、当然手向けるほうも同業が多く、業績や美文を謳う弔辞が大勢を占める。けれど少々それとは様相の異なる、菊池寛の芥川龍之介へ送った弔辞が暗記してしまう位好きだ。お互い作家かつ作家と編集者でもあり、芥川の創作上の悩みや精神的な不調も知っていたであろう菊池だが、作家としての芥川には一切触れずただ友人として語りかける。君の表情が穏やかなのを見て安心したよ、友よ安らかに眠ってくれ。でも、でも、「たゞ悲しきは君去りて我等が身辺とみに蕭条たるを如何せん」。君がいなくなってしまって寂しいよ、と。2018/11/12

武井 康則

2
小説家、詩人の死に際して書かれた弔辞を集めたもの。実際に葬式で読まれたのだろう、なんだか、良くわからない形式だけのものもある中で、三島由紀夫への武田泰淳の弔辞、川端康成への丹羽文雄の弔辞がいい。どちらも尋常な死でない中で、カバーしたり叱咤したりと、故人への思いが伝わる。ただ、これ開高健が企画したのかもしれないけど、新潮編集部編でいいじゃないかな。2017/08/27

ぼっせぃー

1
若山牧水が、知り合って二年程の石川啄木の見舞いに行ったら、周りに家族しかいない中目の前で啄木が死んでしまったという話、本当に好き。面白いのは、やはり友人からの弔辞であったし、胸に来るものがある。2015/06/04

Miho Haruke

1
書簡集がすきで時々読む。複写や電子メールのない時代は、書き写したりカーボンでもない限り、自分が何を相手に書いて送ったかは、手元に残らないから、当たり前だがとても個人的で、そこに惹かれる。いっぽう弔辞は相手が永久に読むことはない手紙だ。聞くのは葬儀の参列者だけだ。相手が読まないという安心感と、参列者へのプレゼンテーションでもあるという自覚からか、そらぞらしさも相当ある。それでもそのそらぞらしさの合間合間にうかぶ、コントロールできない悲しみが、聞く・読む人を泣かせ、もしかしたら死者に届くかと思われるのだろう。2013/07/29

chinayo

0
昔の文体のものは、とばし、読みやすいものだけを抽出して読みました。一番読みやすかったのは、丹羽文雄氏が書いた「舟橋聖一氏」宛の弔辞で、彼との思い出話のエピソードが心にジンときました。亡くなった年代が古いものから書いてありましたが、自殺による死亡が多く、作家は精神病にかかる人が多かったのだなと思いました。2015/04/28

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