内容説明
荘厳な教会を巨大ディスコに改造したオーナーから、スペースシャトルの宇宙飛行士、50歳以上の白人しか住めない老人タウンまで、世紀末アメリカの正気と狂気を訪ね歩いた異色ルポタージュ。「進歩」の結果、いつ滅亡してもおかしくない程大量の核を抱えこんでしまったナンセンスな現代―その現代を生きる人類の数少ない肯定的なヴィジョンを探し求める著者の旅。
目次
宇宙飛行士との対話
世紀末のニューヨーク
インディアンの国へ
宇宙人との交信
セックス・家族・ゲイ
砂漠のパラダイス
「どうせ盗んだ国じゃないか」
カリフォルニア版・エイズの園
二つのコミューン
サバイバル博士の核シェルター
恐竜滅亡
現代美術天文台
コンピュータ時代の野生区
ニューメディアから「交感」へ
20世紀の戦士
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たそがれ
3
30年位前に書かれたからか遠い話のように感じた。アメリカ現代史として興味深く読めた。ナンセンスの時代に生の意味を求めようとすれば精神世界あるいは宗教へと向かうしかないのかもしれない。2015/02/07
seu
2
書くということに対する命がけの姿勢を感じた2011/10/26
馬耳抜
2
語り口のかっこ良さにあてられて、すっかり小説を読む気分であっという間に読了。はっとさせられる。言ってしまえば、事実は小説より奇なりだが事態は危機的すぎやしないか。確かにこのハチャメチャでちょっとイカしたSFみたいな国は存在している。しかも大手を振って。この八十年代空騒ぎから、アメリカはどうなったのか。飛行機が突っ込んだり何だり。しばらく放心状態に陥った。
岡部淳太郎
2
これはほとんど無名というかそれほど有名じゃない本だけど、すげえ好きな本。アメリカを尋ねた一種のルポルタージュだけど、著者が小説家ということもあって、文学的に処理されている。なんつうか、予言みたいな感じ。想像力と知的好奇心と情緒をかきたてられる。たまたま仕事の昼休み中にこの本に出会って俺はラッキーだ。
日々珠
1
地球の表紙も。地球を代表する人物をルポする形も。つぶやくような前のめりの文も。宇宙飛行士からのコメント「未来は彼らのものだ」という言葉も。ネイティブアメリカン、南米への潜入に近い旅も。大好き、大好きだ。オリジナルだ、生きてる。この自分の想いは、どこへつながるのか。