内容説明
日本人は「有名人の子供」が好き。ついつい意識してしまうのはなぜ?本書はベストセラー『知の技法』の編著者が市川新之助、阿川佐和子から藤原正彦、福原義春まで、著名な28人にインタビューし、その特徴や社会的意義を解きほぐす本邦初の二世入門書。成功した親を持つことはトクかソンか。そもそも成功の秘訣はなんなのか。あなたの身近な「二世」を理解する鍵もここにあるはず。
目次
阿川佐和子―もの書きになれといわれたことはない
田村高広―いま、親父と話し合っている
橋本大二郎―政治は継がない、思いは継ぐ
福田美蘭―親の二倍ぐらいできて当然
村松友視―家族ゲームから抜け出すために
水谷八重子―まるのまんま、そっくりそのまんま二世
猪谷千春―鬼親父から逃げ出すために大成してやる
高野孟―魚の食い方だけ引き継いだ
福原義春―反対に反対に行動するようになる
水野正人―跡取りとはなにか、わからなかった〔ほか〕
著者等紹介
船曳建夫[フナビキタケオ]
1948(昭和23)年東京生れ。東京大学教養学部卒。ケンブリッジ大学大学院博士課程修了。現在東京大学大学院教授。文化人類学者。二男二女の父
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感想・レビュー
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優希
73
タイトルこそ『二世論』ですが、内容は28人の著名人との対談です。有名人の子というだけで意識してしまい、その想いを聞きたくなるものでしょう。対談を通じて、二世であることを解きほぐしていくのが新しい視点ですね。親が有名であることはどうなのか、その本音が覗けるのが面白かったです。2016/11/13
あーさー
2
様々な世界における「二世」へのインタビューをまとめた1冊。1人につきそこまでページ数が多くはないので、それぞれの二世に対する考え方を網羅的に知ることができます。2023/03/02
うたまる
0
『二世論』というタイトルの割には、28人のインタビューで全然深掘りできておらず正直物足りなかった。しかし、表題と内容のミスマッチについては、元々『親子の作法』というタイトルだったと知り、それなら納得。一方、社会現象としての『二世論』が論じられていない問題は16ページに亘る”あとがき”で氷解した。つまり、最後の最後で本書の評価は逆転し、良となった。尚、インタビュー中の白眉は「萩原朔美」の章。社会的に真っ当とされる職に就いている息子に対しての母の叱咤の言葉が鮮烈……「働いたりするヒマがあるなら仕事をしなさい」2013/06/12