新潮文庫<br> 遠野物語

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新潮文庫
遠野物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 228p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101047010
  • NDC分類 382.122

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nonberg

10
遠野物語と同拾遺には、伝承のまえに、親切にも「題目」つまり索引が付されている。土地を紹介する地勢にはじまり、山の神、天狗、山男、山女、河童、狐など、二十一世紀の<平地人>にはおそらく目にすることも耳にすることもできない、明治から昭和初期にかけての貴重な語りが収められている。子どものころ、生まれ育った土地になぜ伝承や芸能が少ないのか淋しく感じていた。推測するなら、ひとつは川と洪水、ひとつは街道、そして戦後の村落内の対立… 語りを読むと、奇怪ではあるが、ひとの営みがみえ、そこはかとなく温もりを感じるのだ。 2023/05/08

読書の鬼-ヤンマ

2
平成6年1月30日第5刷、図書館本。P90:山本健吉氏、P101:吉本隆明氏の解説、時代背景に関心が向かう。柳田國男氏、東大(農政学)卒後、農商務省官僚、農業関連で各地を巡る間、民話・伝承(寒冷による飢餓・飢饉とアイヌ)に関心。文壇では田山花袋、森鴎外他と親交。語り部の祖父万蔵を持つ佐々木鏡石と出会う。災害で苦しむ農業よりも作家として活路を見出したか? 飢饉・飢餓の歴史(天保、今昔物語)を知り、口減らし(間引き、姥捨て等)と化け出る話。当該者には、その姿が見え、伝承された民の話として遠野物語を記した?2022/09/12

季奈

0
一地方の民話、口承による物語は、その共同体が長い歴史の中、連綿と紡いできた風俗、思想を子孫へと継承するためであり、口伝という形をもってそれらが教えられることは、末梢の忘却を善しとする。 つまり当然ではあるが、『遠野物語』とは、佐々木喜善が生きた時期における遠野物語であり、かつてあり今は失われた遠野物語は、歴史にメスが入れられても、復元は不可能なのである。 近代化が地方に波及することにより、習俗を反映した民話を固定化、保存することは喫緊の問題となるであろうことに気づいた柳田は英哲であった。2021/10/27

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