出版社内容情報
強烈な具象性をもった“夢”を分析することによって現代人の深層を解読するとともに、昔話の中にある日本民族独特の“笑い”の構造までも考察したユニークな日本文化論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しまちゃん
1
夢というイメージの世界の分析と昔話の分析による日本人の深層心理についての特異な日本文化論が語られている一冊です。 日本人と欧米人との深層心理における違いなどについても語られています。2011/11/25
arisa
0
日本の昔話は、なんだか底抜けに豊かで寛容でいいなあ。2022/10/02
二谷
0
メモ:夢は意識状態と無意識状態の補償作用との間に、統合が行われることで見るが、統合は簡単には起こらない。まずスケッチ的な分かりにくい夢が出てきて、劇的構成の夢を見る。 夢の多くは視覚的なもの。少し聴覚あり、味覚、嗅覚は非常に少ない。 日本では昔話と伝説の区別が困難。意識と無意識の隔壁の弱いため。西洋ではおとぎの世界は隔絶された世界として明確に認識されるが、日本ではこの世の現実と容易にまじりあう。 解釈においても、西洋はすべてのモチーフに解釈をつけるが、河合隼雄氏のやり方はぼやっと全体の要所を掴むやり方。2019/11/22