出版社内容情報
松本清張原作の傑作映画と、解説本を組み合わせたＤＶＤ ＢＯＯＫ。平凡な男が追いつめられて子殺しに至ろうとする。主演の緒形拳の名演が光る。解説本は、岩下志麻のインタビュー、川本三郎の連載など。
内容説明
夫婦で印刷所を営む男のもとに、愛人が自分との子どもを連れて現われた。追いつめられた男は、子どもを捨て、ついには殺そうとする―。緒形拳、岩下志麻の迫真の演技が評判をよび、緒形拳は本作でブルーリボン賞、日本アカデミー賞ほか数々の主演男優賞を受賞した。
目次
映画の眼差し
あらすじと登場人物
連載 製作現場からＴＡＫＥ６ 俳優・岩下志麻にきく製作秘話
物語の舞台 埼玉県川越市
特集 子どもたちの懐かしい遊び
連載 清張幻影第６回 絶望と罪悪感に揺れる父の姿―「鬼畜」（川本三郎（作家・評論家））
スタッフ紹介―監督・脚本・音楽・撮影・出演者
そのころの日本 昭和５３年―映画の背景と昭和の風俗
連載 道はどこまでも第６回 清張以前・清張以降（藤井康榮（松本清張記念館館長））
清張誌上検定・松本清張記念館便り
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
30
『松本清張傑作映画ベスト10』で観直す『鬼畜』。観直す前に原作も久しぶりに読み直してみた。驚くほど短い原作は、描写というよりかは淡々と説明がされていく記述が続くが、それがおぞましい犯罪との乖離を助長し、だからこそ絶妙な効果を生んでいる。映画版は、微妙な設定変更はあるものの、原作のストーリーを丁寧に継承している。そんな中、最大の違いはエンディングだろう。映画版は原作のラストのその先を描いている。（つづく）2022/08/30
