出版社内容情報
松本清張原作の傑作映画と、解説本をセットにしたＤＶＤ ＢＯＯＫ。強盗殺人犯逮捕のため、犯人の昔の恋人の家を見張る刑事の物語。解説本は脚本家・橋本忍のインタビュー、特集「清張作品と鉄道」、時代背景など。
内容説明
強盗殺人犯の逮捕のため、昔の恋人の家を向かいの宿から見張る２人の刑事。はたして犯人は現われるのだろうか。あきらめかけていたある日、淡々と家事をこなしていた女は、服を着替えて家を出ていった―。緊張感みなぎる清張ミステリーの原点。
目次
映画の眼差し
あらすじと登場人物
連載 製作現場からＴＡＫＥ４ 脚本家橋本忍にきく製作秘話
物語の舞台 佐賀県佐賀市・大分県九重町
特集 清張作品と鉄道
連載 清張幻影（川本三郎（作家・評論家））第４回 平凡な日常を超えた一瞬の輝き―「張込み」
スタッフ紹介―監督・脚本・音楽・出演者
そのころの日本 昭和３３年―映画の背景と昭和の風俗
連載 道はどこまでも（藤井康榮（松本清張記念館館長））第４回 独学独習
清張誌上検定・松本清張記念館便り
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
9
清張の原作は、３０ページに満たない短編。それを２時間弱の映画に仕立てあげた、橋本忍の手腕が素晴らしい。橋本は、原作では数ページしかない張込みのシーンを、延々と描いていく。そこに大事は起こらない。しかし、大事が起こらないことを橋本はまるで恐れていないのだ。それこそが、刑事の張込みと言わんばかりに。ジリジリと照り付ける真夏の太陽が、刑事の肌を容赦なく汗で濡らしていく。そのねっとりとした暑さが、刑事の焦りを象徴している。そして、待たされたあとの、一瞬の女の情熱が、事件を、愛情を、苦く焦がしていくのだ。2012/06/04
