出版社内容情報
細川ガラシャ、支倉常長、トマス荒木…。キリストの受難に自分の苦痛を重ねた殉教者たち。そしてキリスト教の側からも弾圧者の側からも忘れられた棄教者たちの真実を明らかにします。
戦国時代、日本はヨーロッパと真っ正面から激突した。織田信長から豊臣秀吉、徳川家康・秀忠・家光の時代にかけて、そのために多くの人々の血が流された。それは殉教者の血でもあったし、背教者の血でもあった。名作『沈黙』の筆者である遠藤周作がこの時代に裏側から光を当て、真摯に生きようとし、死んでいったトマス荒木、フェレイラなどの波乱に満ちた生涯を浮かび上がらせる。
内容説明
戦国~江戸時代にかけて、波乱に満ちた切支丹の生きざまを裏側から光をあてて描写。
目次
日本と西洋の激突(キリシタン時代―日本と西洋の激突;切支丹時代の智識人;切支丹と遺跡―長崎とその周辺;『沈黙』―踏絵が育てた想像;日記;細川ガラシャ―神だけを拠りどころに;東北の切支丹―支倉常長とペドロ岐部;トマス荒木―最初のヨーロッパ留学生の苦悩;フェレイラ〈沢野忠庵〉―苦悩する背教者の祈り;キャラからシドッチ―最後の潜入宣教師たち;日本の沼の中で―かくれ切支丹考)
異邦人の苦悩(日本人の宗教心理について;日本人の信仰について;黙示録と現代;宗教家;異邦人の苦悩)