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小学館文庫
銀しゃり

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  • サイズ 文庫判/ページ数 509p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094084078
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

仕事、人情、心意気。
男が惚れる男の仕事振り。
江戸・深川で伝統の鮨を作る職人・新吉。棄損令に心を痛める旗本勘定方・秋之助。誇りをかけ、仕事に没頭する新吉の姿は立場の違う二人を固く信頼で結びつけた。長屋に暮らす仲間たちとの、心温まる人情譚。

内容説明

寛政の江戸深川に「三ツ木鮨」を構えた鮨職人・新吉は親方から受け継いだ柿鮨(こけらずし)の味と伝統を守るため、日々精進を重ねていた。職人の誇りをかけて、満足のいく仕事をする。それが新吉の信条だったが、ふとしたきっかけで旗本勘定方祐筆・小西秋之助の知己を得る。武家の借金を棒引きにする「棄捐令」に思い悩む秋之助との間に、互いの生き様を通して生まれる男同士の信頼感。住む世界が異なろうとも、そこには己れの仕事に命を燃やす男たちの熱い心意気があった。長屋に暮らす仲間たちと織りなす「笑いあり涙あり」の時代小説。

著者等紹介

山本一力[ヤマモトイチリキ]
1948年高知県生まれ。都立世田谷工業高校電子科卒業。様々な職業を経て、97年『蒼龍』でオール讀物新人賞を受賞し作家デビュー。2002年『あかね空』で第一二六回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

286
嗚呼、大団円!すごく読みやすい傑作江戸時代モノに出合えました!柿鮨の伝統を守り実直な商いに精進を傾ける新吉。武家に生きながらその理不尽に悩む秋之助。高田郁さんの『みをつくし』や『銀二貫』がお好きな方にはマジで絶賛お薦め人情モノ。読み手の『それで?』『どうなるの?』と先を急ぎたくなるテンポにきっちり応えてくれて抜群に読みやすい!筋と展開が素直で粋な江戸っ子が目の前にいる感覚!実直すぎる程の面々、波乱万丈の予感も実直を積み重ねたご縁が救ってくれる!粋で真っ直ぐな登場人物の生き様が心地よい❗嗚呼よかった‼️🙇2019/05/17

さと

66
自らに与えられた役目を真っ当に果たしていく姿は、便利になりすぎた世の中に生きる私には羨ましささえ覚える。最近、天職とは⁇という言葉に触れる機会があり、ともすると、どこかに忘れてきたかのようにそれを探そうとしている自分がいた。どんな状況であろうと与えられた事に120%で臨む彼らは、毎日を生きる事で匠となっていく。謙虚でありながら妥協を許さぬ様には、武士も町人もなく世界に誇れる日本人の心が透けて見える。2021/04/29

おつぼねー

60
お武家様でも長屋の職人でも、己を律し、苦労をいとわず、何事にも正直に取り組む…そうすればおのずと幸せが舞い込んで来るのです。粋でいなせな江戸庶民の日常や、商売のノウハウ、役人事情を、美味しそうな鮨と共にたっぷり堪能させてもらいました。2019/08/12

タイ子

58
長年鮨屋で修業し、親方お墨付きで暖簾分けをした鮨屋新吉の物語。寛政の頃、お鮨といえばにぎりとかちらしではなく箱鮨が一般的。中に入れる具や、すし飯の味で商売を競っていたそうな。不景気風が吹き始めたころ、出会ったのが勘定方の秋之助。そして、新吉の親友順平と妹おけい。それぞれ立場の違いはあれど、新吉の鮨職人としての矜持がある限り知恵と友情の手を差し伸べてくれ、まっとうに生きる幸せ感は読み手にも伝わってくる。さすが、一力さんだわ~。商売、利益、不景気、経営手法、現代にも通じる社会観が見えてくるような一冊でした。2018/03/14

Atsushi

46
鮨職人新吉と旗本勘定方小西秋之助の身分を超えた友情の物語。いつの時代も職業や地位にかかわらず矜持を持ち続ける生き様は美しい。最近のお役人に見習って欲しいものだ。面白い作品だったが、おあきと杉作のその後が気になったり、忘れかけた孝三がラスト近くで登場したり少々ちぐはぐな感じがしたのが残念。2018/04/28

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