小学館文庫
なぎさ昇天―なぎさの媚薬〈8〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 169p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094083569
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「おまえも、媚薬を服んでみればいいんだ。おまえ自身の過去に戻ればいい」―。週刊誌記者のアキラは、再会したなぎさを抱きながら、そう囁いた。「欲しいんです…なんか、今夜は変なんです…抱いてほしくて…だめなんです」何度も絶頂に達したなぎさは、自らの“媚薬”を口にして、過去へと旅立つ。その後を追うようにアキラともう一人の娼婦・翠もまた、ミルク色の霧に包まれたなぎさの過去へと導かれてゆく。そこには、二人の「なぎさ」がいた―。幾多の男を救い続けた伝説の娼婦の正体がついに明かされる、感動と救済の最終章。

著者等紹介

重松清[シゲマツキヨシ]
1963年岡山県生まれ。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て執筆活動に入る。91年、『ビフォア・ラン』でデビュー。99年に『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年に『ビタミンF』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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りゅう☆

93
なぎさの本当の正体を明らかにする為、アキラは彼女に媚薬を与えなぎさの過去を辿る。彼女はこの世にはいない。彼女の死に一体何があったのか。「なぎさになりたい」という幼馴染レイコの思いとなぎさの死にどんな関係が…。医療ミスで恋人を失い自殺した看護師翠も再登場。アキラと見守る。そしてアキラのとった行動とは…。自分の人生は変わらないが、過去に行って好きだった女性を救う。生々しい性描写は欠かせないものの、不思議と達成感と爽快感がある。なぎさの物語は終わったけど、どこかで媚薬を与えてくれる不思議な娼婦には会えるよね。2016/04/10

まさきち

69
【読メエロ部】なぎさシリーズ完結編。なぎさの正体や不思議な街娼となった経緯などがわかってすっきりしたものの、エロ要素は非常に希薄となってかなり雰囲気の異なる作品でした。それでもきれいにまとめているところがさすが重松さん、と思わせてもらえる一冊です。2017/07/24

p.ntsk

44
【読メエロ部】シリーズ完結編は今までと違った展開でした。渋谷の裏通りにいるという伝説の娼婦なぎさ。その媚薬で数多くの後悔を背負った男達を救ってきたなぎさ。ラストエピソードでは彼女自身が自らの正体を知るため過去へと旅立つ。なぎさは去っても哀しい女と孤独な男がいる限り伝説の娼婦はまた現れるのでしょう。とうとう読んでしまった(笑)もともと週刊ポスト連載ということもあって多分に男性目線な内容でしたが巻を重ねるごとに内容も重く所々に重松節が垣間見えるシリーズでもありました。 2018/09/13

うりぼう

22
なぎさシリーズ完結。最後まで、あとがきのない文庫でした。重松の希望なのでしょう。アキラは娘を救う、分身を救うことは自分を救うこと、他者を救うことがルール。救い方には、「生きがいの創造」もあり。哀しみにくれる男がいる限り、娼婦はなくならない。永遠の罪業は、甚重なり。2010/01/25

Kanonlicht

11
最終話はまさに幕引きのための一話といった感じで、これ単体では物語としては成立しないし、前回に輪をかけてシンプルな構成だった。読み始めてすぐに、ここにつながる展開は6話から始まっていたことがわかる。結末は納得できないものではなかったけれど、個人的にはもうひとひねりほしかった。ただシリーズを通して共通の、過去に戻って女性を救うという話の構造は好きだったので、終わってしまうと少し寂しさもある。8話読んできて、自分なりのベストは第4話。2022/03/02

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