小学館文庫<br> 九死一生

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小学館文庫
九死一生

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  • サイズ 文庫判/ページ数 283p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094062526
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

愛猫喪失から立ち直っていく男女を描く物語

「もしもあなたが誰かを本気で愛したら、行き着く先には悲しみがある。悲しみ以外のものはない。なぜならあなたの愛した者は死ぬ。それでも誰かを夢中で愛したあなたは救われる。私にそのことを教えてくれたのは、一匹の猫だった……」(プロローグより)
著者自身の、愛猫との別れの体験をもとに、喪失から再生、そして、小さな生き物たちを愛することの素晴らしさをとことん掘り下げた物語。猫を描かせたら右に出る者はいない小手鞠るいの、作家生活の集大成となる渾身の小説。

内容説明

著者自身の愛猫との別れの体験をもとに、絶望のどん底から立ち直る強さ、そして、小さき生きものたちを愛することの素晴らしさを教えてくれる珠玉の物語。猫を描かせたら右に出る者はいない著者の、「猫文学」最高傑作。

目次

わすれ雪―二〇一一年啓蟄
風光る―一九八二年清明
燕の子―一九八三年小満
夏みかん―一九八四年夏至
道おしえ―一九八五年大暑
ダリヤ―一九八六年白露
小鳥来る―一九六一年霜降
海猫―一九八七年小雪
雪蛍―一九八七年冬至
冬萌―一九九〇年小寒
猫の恋―一九九三年立春
チューリップ―一九九六年穀雨
風青し―二〇〇〇年立夏
短夜―二〇〇五年夏至
虹の橋―二〇〇六年立秋
花野―二〇〇七年寒露

著者等紹介

小手鞠るい[コデマリルイ]
1956年、岡山県生まれ。同志社大学法学部卒業。1993年、「おとぎ話」で「海燕」新人文学賞、2005年、『欲しいのは、あなただけ』で島清恋愛文学賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

miww

75
最初の章の別れの瞬間、昨日までできていた事が今日できなくなり日々弱っていく愛猫を見守る場面は辛くて泣ける。「もしもあなたが誰かを本気で愛したら、行き着く先には悲しみがある。悲しみ以外のものはない。待ち受けているのは、悲しみだけだ。なぜなら、あなたの愛したものは死ぬ。必ず別れの時がやってくる…」それでも失う悲しみに値する幸せを与えてくれると思っています。姉弟愛、夫婦愛、そして猫好きでない人からすれば異常と思われそうな猫への愛情に深く共感した。2016/05/16

佐島楓

56
だめだわ、これ。泣いちゃって、読めません。猫の物語だけど、動物を家族としている方ならわかっていただけるはず。いつか必ず、別れのその日が来てしまう。だからこそ、後悔のないようにしていたい。2016/03/26

との@恥をかいて気分すっきり。

33
猫愛に生きる小手毬さんの作品。猫を愛するあまりに、猫の死に打ちひしがれ命を削るように生きる場面が辛い。ここに登場する人間たちも、猫のように孤独に気高く、自律して生きていこうとする。そのたんたんとあっさりとした描写が事を湿っぽく深刻に感じさせないのが良い。2016/01/23

yu

31
Kindleにて読了。 ネコによってつながっていく姉弟の絆、夫婦の絆。 よくも悪くも、この手のお話しは何だかんだお涙頂戴になることは想像つくため、それほどでもなかったかな。2016/05/05

かこりむ

22
猫好き夫婦を軸にした、連作短編集。必ず自分よりも先に死んでしまうから動物は飼わないという考えに一理あるな、と思っていた。でも、この物語には、その先には失う悲しみしかないとしても、人や猫を愛さずにはいられなかった人たちの姿が綴られており、臆病なままでいるよりも、一歩前に踏み出したい気持ちになった。2016/05/22

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