出版社内容情報
至純の愛を描く心ふるえる恋愛小説
物語は、十年前の展覧会場から始まる。画家の卵である主人公は、そこで初めて「わたしだけの神様」に出会う。二十歳以上年上の彼は額縁職人だった。すぐに〈わたしたち〉は愛しあう。でも、恋は一年しかつづかなかった。そして十年後の再会。〈わたし〉は高校の美術教師になっている。三十八歳。再会はホテルの一室だった。そこでの優しくて官能的な性描写は、ため息が出るほど美しく、嘆賞に価する。
〈わたし〉が唯一気に入っている自作の絵は「夜の街なみ」を描いた風景画だ。「夜の風景は、いかなる光を浴びせられても夜のままなので安定しているし、すべての色を使うには昼よりも夜のほうが描ききれると、わたしは考えている」。その絵を見た高校生の教え子たちはこう感想を述べる――「誰も愛しあわなかった夜みたい」「愛しあうって、どういうこと?」「セックスだろう」「誰もセックスしなかった夜みたい」
物語は、〈わたしだけの神様〉の死、感動的な終結に向かって静かに穏やかにながれていく。
唯野未歩子[タダノ ミアコ]
著・文・その他
内容説明
年上の“あのひと”を愛しつづける美術教師―。女優にして映画監督、ジャンルを超えて活躍する俊英が描く繊細で壊れそうな至純の愛。恋愛小説の傑作、待望の文庫化。
著者等紹介
唯野未歩子[タダノミアコ]
1973年、東京生まれ。女優・映画監督・脚本家・作家。97年「フレンチドレッシング」で女優デビュー。2006年「三年身籠る」で初監督、同時に同名の小説を書き下ろし、小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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