小学館文庫<br> ほんとうに誰もセックスしなかった夜

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小学館文庫
ほんとうに誰もセックスしなかった夜

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  • サイズ 文庫判/ページ数 189p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094061185
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

至純の愛を描く心ふるえる恋愛小説

物語は、十年前の展覧会場から始まる。画家の卵である主人公は、そこで初めて「わたしだけの神様」に出会う。二十歳以上年上の彼は額縁職人だった。すぐに〈わたしたち〉は愛しあう。でも、恋は一年しかつづかなかった。そして十年後の再会。〈わたし〉は高校の美術教師になっている。三十八歳。再会はホテルの一室だった。そこでの優しくて官能的な性描写は、ため息が出るほど美しく、嘆賞に価する。
〈わたし〉が唯一気に入っている自作の絵は「夜の街なみ」を描いた風景画だ。「夜の風景は、いかなる光を浴びせられても夜のままなので安定しているし、すべての色を使うには昼よりも夜のほうが描ききれると、わたしは考えている」。その絵を見た高校生の教え子たちはこう感想を述べる――「誰も愛しあわなかった夜みたい」「愛しあうって、どういうこと?」「セックスだろう」「誰もセックスしなかった夜みたい」
物語は、〈わたしだけの神様〉の死、感動的な終結に向かって静かに穏やかにながれていく。


唯野未歩子[タダノ ミアコ]
著・文・その他

内容説明

年上の“あのひと”を愛しつづける美術教師―。女優にして映画監督、ジャンルを超えて活躍する俊英が描く繊細で壊れそうな至純の愛。恋愛小説の傑作、待望の文庫化。

著者等紹介

唯野未歩子[タダノミアコ]
1973年、東京生まれ。女優・映画監督・脚本家・作家。97年「フレンチドレッシング」で女優デビュー。2006年「三年身籠る」で初監督、同時に同名の小説を書き下ろし、小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

来未

13
わたしとあのひと…あのひとっていう呼び方がとても他人行儀な感じがしたが、読み進めていくに従い二人の関係がだんだん優しい?穏やか?自然?そんな印象を持ち始めた。 高校の非常勤の美術講師のわたし(27)と、額縁職人のあのひと(54)の一途な恋の物語。「次に会う時はどちらかの最期…の時」そんな取り決めをした二人。10年という長い年月を経て再開した二人。大人としての落ち着きと二人だけだからこそ見せられる部分がとても自然体で心地良く感じた。妻がいるあのひと…不倫に値する関係は良くない…でも、一途な思いは羨ましい。2022/07/27

なも

11
かつて画家の卵だった美術教師と、展覧会で知り合った一回り以上年上の額縁職人の恋愛小説。年の差、不倫。主人公にどこかしら共感できないとアウトだろうなぁ。私はアウトでした。全然面白くなかった。そういう設定なんだろうけど、主人公の女の中身がブレすぎな印象。2015/12/24

月乃雫

8
読み終えた後、余韻が残る。 「わたし」の視点で書かれた小説。 あのひととの時間は、淡々と静かに穏やかに流れていて、幻想的な感じがした。 私はこんな物語も好きだなと思った。2015/01/23

あや

3
文章がすごく綺麗。惹かれる一文がいくつかあって、それだけで充分楽しめた。 内容はうーん?と首を傾げる部分も。神さまが彼女の中のどのあたりに位置づけられているのかがわからなかったなあ2015/02/08

sidmar arai

1
ちょっとびっくりするようなタイトルだが、とてもゆったりしたラブストーリー(?) 親ほども年の離れた男性と愛し合っていた女性。その人の視点のみで描かれている。 絵を描きながら非常勤講師で働く彼女が28歳と38歳の時の物語。宗教にのめり込み親を捨てた母親、残酷で容赦のない生徒、ナイーブで傷つきやすい同僚教師、母親の宗教仲間。 そして10年前に別れて、最期の時にまた会おうと約束した彼と再会する。 10年分歳をとった男性をまるで昨日も会ったかのように接して別れる彼女。切なくて辛いんだけど、読後感が爽やかだ2015/05/16

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