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小学館文庫
ビンラディンの論理

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  • サイズ 文庫判/ページ数 222p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094025569
  • NDC分類 319.26
  • Cコード C0195

出版社内容情報

これが先進国の“正義”を蹴散らすビンラディンの“正義”だ!

「ビンラディンには、きちんとしたイスラム思想はない。だからスローガンで民衆の心をつかんだのだ」(著者・中田孝) イスラム世界ではイスラム法こそ唯一絶対の正義であり、その正義が遂行されない場合、ジハード(聖戦)で偽の統治者を打倒する義務があるとされていたものの、本来テロとは無縁だった。だがビンラディンは、民衆の圧倒的な支持を背景に、アメリカに対するジハードにテロを持ち込み、自ら殉教者になることを望むかのように暴走を続けた。イスラム原理主義研究の第一人者がビンラディンら武装闘争派の“正義”を徹底的に解明する。

内容説明

イスラム世界ではイスラム法こそ唯一絶対の正義であり、その正義が遂行されない場合、ジハード(聖戦)で偽の統治者を打倒する義務があるとされていたものの、本来テロとは無縁だった。だがビンラディンは、民衆の圧倒的な支持を背景に、アメリカに対するジハードにテロを持ち込み、自ら殉教者になることを望むかのように暴走を続けた。イスラム原理主義研究の第一人者がビンラディンら武装闘争派の“正義”を徹底的に解明する。

目次

序論 イスラーム原理主義の本質
第1章 ビン・ラーディンの半生と思想
第2章 あるサラフィー主義者の思い出
第3章 サウディアラビアとワッハーブ派
第4章 イスラーム解放党のカリフ革命論
第5章 「ジハード団」の組織構造
第6章 革命のジハード論
第7章 「イスラーム集団」の反政府闘争
第8章 ビン・ラーディンの湾岸産油国ネットワーク

著者等紹介

中田考[ナカタコウ]
1960年岡山県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了後、在サウジアラビア日本国大使館専門調査員(至1994年5月)を経て、現在、山口大学教育学部助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺

5
2001年著。タリバン関係の本を読む前に復習。著者はイスラーム原理主義研究の第一人者であり、自身もムスリム。 イスラーム主義とその歴史、ビンラーディンの半生と思想、ジハードの種類と理論的裏付け、イスラーム法体系の理論構築等、日本人が全く知らないような知識に溢れている。重要なことは、貧困がイスラーム過激主義の原因ではないと言うこと。テロ対策としての経済援助はイスラーム主義者を弾圧する非民主的政権をへの支援となり、逆効果だと。→続く2022/03/26

belier

3
素人向けにざっくり説明した本ではなく、911以前に発表されたイスラーム主義武装闘争派に関する学術論文がベースになっており、20年たっていてもイスラームに関する本として読む価値があった。異なる世界観があることを実感できた。ただし、従来の武装派がイスラーム世界内部で腐敗した政権に向けていたジハードを、なぜビンラディンは外部世界の米国に向けたのかは示されていない。ビンラディンもその後のテロリストも、イスラーム主義の論理を生半可に理解(曲解)し、短絡的な行動に出たものだと、大雑把に考えていいのだろうか。2021/10/07

わたてつ

2
9.11直後に執筆されたもので、ビンラディンの武装理論とは何かを解明するために、イスラーム主義武装闘争派の発展について解説する良書。2023/12/21

横丁の隠居

1
「ビン・ラディンの論理」と表題にあるが看板に偽りあり、オサマの思考過程と、同時多発テロの関連性には触れていない。むしろ、オサマの発想であれば、無辜のムスリムを巻き込むテロはありえない、と書いてある。最後は、もし同時多発テロが許されるなら、イスラム過激派は、核でも生物兵器でもなんでも使うだろうとあるが、では、同時多発テロはオサマ一派の仕事ではないのか、誰が首謀者かというところは明示されていない。ジハード論の歴史が延々かいてあるが、結局我々が知りたい点は明らかにされていない。2014/06/15

bisco

0
いわゆる「イスラーム原理主義」に立脚する諸組織の活動や、その拠って立つ学問的理念などを、歴史的背景や国際関係史なども踏まえた上で理路整然と整理して説明されていて、非常にわかりやすい。著者のイスラーム法学者ハサン中田考先生は、おそらく日本人では最もこの分野に精通している人物であろう。 エジプトのムバーラク政権がなぜ国内のイスラーム主義者を弾圧するのか、なぜ中東諸国では民主主義が機能しないのか、アメリカ・イスラエルはなぜアラブの独裁政権と仲がいいのか、こうした疑問は本書を読めば氷解する。 しかし、ひとつ難点な2015/11/06

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