卒業するわたしたち

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  • サイズ B6判/ページ数 187p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093863490
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

様々な「卒業」を描いた13ストーリーズ

吹奏楽部の1年後輩の男子に密かに思いを寄せる先輩女子が、告白できずに卒業していく「流れる川」。離婚する妻が夫との最後の会話のなかで、下の名前ではなく「あなた」と呼ばれたことを印象に残す「春の雨」。二十八歳の娘が、仲の良い母の再婚を自分のなかでようやく祝福できる気持ちに至る「母の告白」。
女性アイドルグループのメンバーがソロ脱退することを知った、ある女子ファンの心情を追った「にじむオレンジ」。仲良しの少し不良の女子高生から、上京してしまうために様々なプレゼントをもらうことになる女子小学生を描いた「屋上で会う」。――単なる卒業式、恋愛絡みに留まらない、様々な年齢、様々なシチュエーションのそれぞれの卒業模様を精緻に描きとった、どこからでも読むことのできる1話完結13話からなる短編集。

内容説明

理由もなく、当たり前のように会えていた日々や、無条件に一番近い場所にいて、気軽に誘い合っていた日々は、何をどうしたって戻らない。卒業は学校だけのものじゃない。様々な「その瞬間」を描きとる13ストーリーズ。

著者等紹介

加藤千恵[カトウチエ]
83年、北海道生まれ。01年、高校在学時に刊行した短歌集「ハッピーアイスクリーム」でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

masa@レビューお休み中

141
卒業をテーマにした、13のショートストーリーが描かれている。そして、物語の最初に短歌が添えられている。読み直してみるとなるほど、そういうことだったのかと理解ができるのだ。短歌はあらすじであり、主人公の悲喜こもごもの感情であり、物語の結末といっても良いような重要なキーワードが含まれている。物語は学校の卒業だけをテーマにはしていない。それぞれの卒業があって、人や物や場所から巣立つように旅立っていく。だからなのか、うれしさだけではなく、鼻をツンとさせるような悲しさと切なさも、ここには含まれているのかもしれない。2014/06/03

優希

99
何処となく寂しさが香ります。それはやはり「卒業」という言葉の響きにあるのかもしれません。一言で言えば同じ言葉でありながら、色々な卒業がある。誰しも日々何かから卒業しつつ過ごしているのだなと思います。それぞれの作品が短い感じもありますが、だからこそ何とも言えない余韻を心の中に残していきました。2017/03/29

なゆ

73
卒業の季節なので、あの甘酸っぱい気分にひたりたくなって。もちろん、そういう学校の卒業の話もあるが、ほかにも自動車学校の卒業、いろんな関係からの卒業、卒業で思い出す出来事など、いろんな“卒業”の短編たち。なかでも好きだったのは、「引力に逆らって」。卒業でもなんでもないのに、認知症の祖母から送られてきた卒業祝い。その話を聞いた彼氏からの提案が、優しくてとてもいいよね。その案、いつか応用させてもらおう。そういえば、卒業ってこれからだってできることなんだよね、って気づいた。2018/03/16

takaC

57
みんなの感想とは違うかもしれないけど、物語部分は蛇足だと思った。単純な歌集の方が良さそう。2013/07/16

七色一味

57
読破。いろいろなこと──例えば文字通りの卒業だけでなく、それまで慣れ親しんだ「何か」からの自立も含めた広い意味での卒業をテーマとした短編集。う〜ん、狙いは良かったのかもしれないが、1話1話の掘り下げが足りているのか? と思われる部分と、一冊にまとめた時のバランスがあまり良くない感じがした。ただ単に卒業を扱うだけでなく、各編に横の繋がりを持たせれば、もっと深い味わいのある作品になったのでは? 嫌いなテーマじゃないので残念。2013/06/14

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