出版社内容情報
昭和30年代に現代人の心のふるさとを追う珠玉作の数々。メルヘンコミックの新分野をうちたてた西岸美学の結晶。
▼第1話/雪の降る街を▼第2話/おばあちゃんの火鉢▼第3話/サボテンの花▼第4話/エイプリル・フール▼第5話/春のあらし▼第6話/みんな夢の中▼第7話/薄井文具店▼第8話/赤いハイヒール▼第9話/カエルの唄▼第10話/遠い雷▼第11話/ナイターの季節▼第12話/避暑地の出来事▼第13話/夏の星座▼第14話/昆虫採集●登場人物/鈴木則文(鈴木オートの社長。働き者で子供には少々甘い)、鈴木トモエ(優しくてしっかり者のお母さん。時に怒ると恐い)、鈴木一平(鈴木オートの一人息子。ワンパクだが、気は優しい)●あらすじ/新聞社に勤める上野は、ある日、立て続けに二人の同僚の相談を受ける。二人とも上野の大学の後輩である学芸部の石川小百合を紹介して欲しいというのだ。小柄でやせていて、色も黒い小百合だ。上野は女性としての魅力をまったく感じない小百合がどうしてこんなにモテるのか合点がいかない。だが、彼には、初めて会った第一印象でその人間を認識してしまうという、昔からの悪い性癖があった…(第1話)。▼お豆腐屋さんの家業でいそがしい両親に代わって、おばあちゃんの世話をするのは小学生の吉男の役目だった。おまるを洗うのはちょっと辛いけど、火鉢でおか