出版社内容情報
大型選集「谷口ジローコレクション」第3弾
世界中で数々の漫画賞を受賞した谷口ジロー、初の本格選集が登場!
第1期・全5巻(小学館刊5巻+双葉社刊5巻)
サイズは迫力の大画面B5判!
最新のスキャン技術と最高品質の印刷を駆使し、
谷口ジローの名作群が全く新しい姿で登場します。
第3弾は谷口ジロー作の漫画家漫画『冬の動物園』。
アシスタントから漫画家を目指す青年の成長物語を
優しく美しい描線で辿っていく。
【あらすじ】
京都から東京に出てきた青年は、
友人の紹介で、漫画家のアシスタントになる。
漫画家は言った。
「あの仕事場は、夢を紡ぎ出す場所なんだよ。」
大都会東京に魅入られ、時代の風に吹かれながら、
漫画家という夢に向かって歩く。
若き作者自身の経験と心境が垣間見える青春の日々が
最新のデジタル・スキャニング技術と
最高品質の印刷技法で鮮やかによみがえる。
●各巻に購入特典として別冊小冊子『「紙」が語ること 谷口ジローの世界』を封入。今回の別冊小冊子では、関川夏央氏の連載「谷口ジローとの歳月」第3回に加え、大友克洋氏の書き下ろし寄稿文も掲載。
※画稿
【編集担当からのおすすめ情報】
谷口ジロー史上最大規模となる原画展の国内巡回開始を機に、
(2021年10月16日~2022年2月20日、世田谷文学館。以下全国巡回予定)
待望の大判選集の刊行がスタートしました。
早速多数のご感想をお寄せいただいており、
「紙質が良く、印刷も美しくて、美術書のようだ」
「谷口ジローの細かいタッチは、大きな判で読むべき作品だと改めて思った」
「原稿の息遣いが感じられる本」
といった、非常に好意的な声をいただいています。
紙の本の魅力に溢れた「谷口ジローコレクション」を、ぜひお楽しみください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
34
谷口さんの自伝的要素のあるお話です。この後どうなったんだろう…とドキドキしました。正直この人の作品で恋愛的要素を求めたことがなかったので驚きました。そして、続きが読みたくなります。この淡い恋はどうなったんだろう?…でも、アクの強いマンガ描きの世界に魅了された人達の描写がやっぱり魅力的でした。2023/08/23
ぐうぐう
33
谷口ジローコレクションで再読する『冬の動物園』。主人公が鳥取から京都の織物問屋に就職し、やがて上京、漫画家のアシスタントになり、デビューするまでの歩みが、谷口自身の体験を時に重ねつつ描かれている。この自伝ふうの漫画は、だからといって主人公に谷口をそのままスライドさせることを拒否しているように感じられる。あきらかにフィクションであろうエピソードが散りばめられているから、と言うよりかは、主人公の佇まいが漫画作品として成立してしまっているからだ。(つづく)2022/01/08
剛腕伝説
15
谷口ジローの、青春の一頁を切り取った自伝的コミック。ひょんな事から漫画家のアシスタントとなった谷口ジロー。病弱な彼女とプラトニックな恋、彼女に捧げるために書き上げたファンタジー作品。乾いた作風と物憂い眼差しが青春の苦悩を醸し出している。2022/06/06
アメヲトコ
6
表題作は2005~07年発表。京都から東京に移り石川球太のアシスタントをつとめていた頃の自身をベースとして、まだ何者でもない一人の青年の模索とプラトニックな恋が描かれます。緻密に描かれた昭和の風景を味読するのにこのコレクション版は最適です。併載の「松華樓」(98年発表)も同じくアシスタント時代を描いたもので、小品ながら凄みがあります。2022/02/10
Praesumptio cedit veritati
1
自伝的作品と聞く。周囲の人に翻弄されながら、漫画家への道を進むことになる主人公。人との出会いが行き方を決めることにつながる様を、瑞々しく描いている。佳作であり、良い読後感。2022/01/16