内容説明
ムッシュー・シノザワ、一家全員引きつれて、1年間のパリ住い。滞在許可証の取り方からトイレの利用法まで、この1冊でもう万全。文化論、家庭論の決定版。
目次
住みつくまで(苦心のビザ申請;パリの我が家 ほか)
定住の喜び(寒風のサクレ・クール;我が家の食堂グラッパ ほか)
別れも楽し(懐かしのマリアンヌ、そして冬の観覧車;ア・ヴァンドルのビラ「帰国売り」 ほか)
感想・レビュー
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ヴェネツィア
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1991年度といささか古くはあるのだが、篠沢教授一家(ご本人、次男ー大学生、長女ー中学生、マダム・シノザワ、彼女の父)の1年間のパリ暮らしを綴るエッセイ。パリ5区クロード・ベルナール通りにあるバルコン付きアパートの3階が彼らの住まい。そう、目を上げれば「窓の外はパリ」なのだ。筆致はいたって軽快、軽妙にして洒脱ーすなわちパリ風のエスプリに溢れている。案外にも彼らの行動半径は狭かったりするのだが、それもまたパリなのである。1年間か、いいなあ。でも、それもあっという間に終わってしまうのだろう。パリはそんな街。2021/05/01