出版社内容情報
凍りついた目 凍り付いた眼 椎名篤子 しいなあつこ 児童虐待 虐待死 幼児虐待 チャイルドアビューズメント 虐待防止 児童養護施設 児童虐待の防止等に関する法律 YOU
内容説明
子ども虐待死を報じる連日のニュースに憤り嘆くだけでは、何も変わらない。解決に向けて、一歩でも前に進むために…!
目次
第1章 救えなかった命(虐待死の現実、これから目指すべきこと;十字架を背負って)
第2章 命を守るそれぞれの役割(妊娠期から支える、子育てを支える;「親」って何ですか?)
第3章 死を乗り越えた子どもたちを支えるために(虐待死をまぬがれた子どもの“いま”を支えるために;死を乗り越えた子どもたちへ)
著者等紹介
椎名篤子[シイナアツコ]
作家、フリー・ジャーナリスト。1993年、子ども虐待を医療側からレポートした『親になるほど難しいことはない』を刊行。1994年、同書をささやななえ氏が漫画化した『凍りついた瞳』が『YOU』に連載され大きな反響を呼んだ。同シリーズは、児童虐待防止法の立法の大きなきっかけとなった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
30
アメリカで「The battered-child syndrome」が出版されたのは1960年代。日本で児童虐待がとりざたされるようになったのは80年代後半。法整備が整い始めたのは90年代…歴史的なことだけでなくわかりやすく整理された現場ルポでもあります。ぎりぎりせっぱつまっている母親の姿に胸が痛みます。つい数日前に自分も娘とかなりやり合いましたが、お向かいさんをはじめみんなに話を聞いてもらって助かりました。孤立やピアプレッシャー(同調圧力)が産みだす負の連鎖。真剣に取り組むすべての人たちを尊敬します。2019/12/06
貧家ピー
4
虐待予防、虐待を見逃さない、生き延びた子供たちをどう支えるか、専門家たちの考察・提言の最新版。 1994年からのシリーズ最新刊だが、虐待の犠牲になる子供は無くなっていない。 CDS(チャイルド・デス・レビュー)といった死亡を次に活かす活動、子供の死因究明を虐待死減につなげる活動が今後必要との提言があったが、死が基になっているのが現実をつきつけられる気がしてやるせない。 2020/02/10
itokake
1
虐待された子供に特有の感情のないガラス玉のような目つきが凍りついた瞳。コミックのシリーズは秀作。 本書は生き残った人や周囲で関わった人々(小児科医、社会福祉士、保健師など)の視点が中心。うさぎの死体と一緒に発見された女の子、3歳まで乳児院で育ち母との愛着が形成できなかった女性、境界例の知的障害を持ちながら子育てに悩む母など様々な女性が登場する中、男性たちがほとんど登場しないのに違和感を感じた。虐待を受けた男性が父親になる過程でも様々な困難を経験するだろうに。次回作以降に期待。2020/02/11
nino3
0
以前「凍り付いた瞳」を読んで衝撃を受けた。その原作者が様々な児童虐待を防ぐ取り組みをまとめたもの。各巻末にフィクションの物語が付け加えられていて、これが話を理解しやすくしてくれる。虐待を防止するためのサポートは善意だけでは立ち行かない。法の整備、制度の確立が必要だ。住民の各人が子供への視点を見直すことも。虐待死の調査で乳児、新生児のケースが突出しているのに驚く。妊婦と新生児を抱えた家族へのサポートをもっと手厚くと思う。安心感を持てず幼児期を過ごすことがその後の人生の土台になる話は他人事ではなく心に痛い。2021/02/20
あきら らきあ
0
120年後の約束、と重なる内容で、児童虐待についての優れた啓蒙書で、テキストだと思う。多くの人に読まれますように。私自身も何ができるか、考えます。2020/10/24