ダーティ・ワーク

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  • サイズ B6判/ページ数 188p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087748536
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

この世界の地続きのどこかで繰り広げられる、ささやかな物語、小さな奇跡。芥川賞作家が描く、初の連作短編群像劇。

著者等紹介

絲山秋子[イトヤマアキコ]
1966年、東京生れ。早稲田大学政治経済学部卒。住宅設備機器メーカーに入社し、2001年まで営業職として勤務する。’03年「イッツ・オンリー・トーク」で文學界新人賞を受賞する。’04年『袋小路の男』で川端康成文学賞、’05年『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、’06年『沖で待つ』で芥川賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おくちゃん🍓柳緑花紅

98
ああ、これは連作の短編集なんだな‼と途中で気がつく。私にはこれしかない‼って凄いなぁ。いつもどこかで私は誰かと繋がっていて、誰かもその又誰かと繋がっていて、その誰かが私とも繋がっていて、そして今日もいつか強く結び付く人となにも知らずにすれ違っていたりする。人生はめんどくさくて、不器用で最低で、そして最高だ‼夫の秘蔵のローリングストーンズのLPレコード二枚組を探しだして曲を聴いてみた。絲山ワールド堪能した。良いなぁ‼好きだなぁ‼2016/02/18

めろんラブ 

91
以前、こちらの文庫版を読んだ際の感想に、「これは私の結婚本」と書いた。そこまで惚れ込んだ作品の再読は、怖くもあり期待もあり。結果、「結婚、継続願います」。作家名を伏せて読んだとしても、絲山作品だときっと分かる人物造形と文体に痺れる。孤独をまといつつも他者との繋がりを軽んじず、という絲山作品のスタンスに加えて、本作の主人公には研ぎ澄まされたカリスマ性を感じた。もう、悶絶のカッコ良さ。物語に滲むどこか捨て鉢な熱さが、最終章では落ち着いた温もりに。ストーンズのビートが通奏低音の、この上なくクールな一冊。2016/01/07

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

85
ローリング・ストーンズのナンバーをタイトルに冠した7篇のストーリー。助手席に女の子を乗せてドライブしたくなるような疾走感はなく、場末のバーに置かれたジュークボックスから流れてくるような、あまり垢抜けないメロディが奏でられる。でも、それがいい。ギタリストの熊井望と、彼女の想い人TT。物語が進むうちに二つの〈点〉が交わって、最後に一枚のアルバムとして完結する。そこで気づく。これは連作小説ではなく長篇小説だったのだと。それにしても、不器用でナイーブな男女をこんなにリアルに描ける作家っていないんじゃないだろうか。2015/03/18

なゆ

53
ごく普通に短編集のつもりで読んでいくと…いつの間にか前の話と絡み合ってきて、どんどん面白くなってくる。最終的には、長くて遠回りで不器用な恋の物語がメインなのかしら?でも、その周辺の誰か、そしてもっとかすかな繋がりの人たちにも、一人ひとりの物語はあるのだと感じさせてくれる。結構、片想いの宙ぶらりんな気持ちがあちこちに。特に切なかったのが、〝moonlight mile〟。今、どうしても会いたい、会わなくては、という差し迫った想いだったのかな。牛遊び、くだらないけど楽しそう♪麻子さんの物語が読みたかった。2014/09/12

ito

51
語り口調や視点が変わるので独立した短編集かと思ったが、連作集であることに徐々に気がついた。絲山さんらしい不思議な読後感がある。日常でうまく説明できない感情がある。それらをきちんと説明してくれるのが絲山さんだと思う。だから絲山さんの小説を読むと、過去の出来事や感情が昇華できる時がある。ギター奏者・熊井を中心とした人間関係が断片的に見えて、最終的につながってゆく過程が面白い。登場人物達は現実を受け入れているように見えて、現実にとまどい越えられず、留まり続けている。想いを持て余している人々に深く共感した。2014/12/31

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