内容説明
フェティシズムに耽り、性同一性障害にうろたえ、快感と疚しさにさいなまれた日々…オレンジに爆発する’70年前後を舞台にあの姫野カオルコが描くヰタセクスアリス!疚しさの爆発の傑作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Cheers!
5
期待を裏切らない。70年代昭和ワールド全開。とても懐かしくて、面白くて、恥ずかしくて、そしてコワイ。2016/03/20
grapeover
5
なぜこんな的確に、子供の頃の気持ちを、表現するすることが出来るのだろう。そうそう、あの頃の方がきつかった。友達の顔色をうかがい、傷つき、和を保つのに死に物狂い。先生の気分による無秩序の言葉の制裁が教室にあった。必死で戦った給食。いい栄養になるはずがない。いい思い出もあるけれど、悪い事だけ思い出して本にするなら、こんな感じ。2015/09/27
ムツモ
3
姫野さんはいつも、もう忘れかけていた子供の頃の気持ちを、何とも生々しく思い出させてくれる。懐かしくも結末は怖すぎて、姫野さんらしさを存分に味わえた。2018/01/07
のりすけ
3
「お元気ですか、先生」先生のいうことは間違いのないこと…だから逆らうなんてもってのほか!先生は教室では神様のような存在…。でも、今なら自分も言える。大嫌いでした、M先生。ああ、同時代を生きた女には、共感所がいっぱいでございます。2013/11/10
53
3
姫野さんが書く子供時代はリアル過ぎてつらい。時代は全然違うのにわかる。結構大変だったんだよ、普段忘れてるけど。戻りたいなんて幻想だ。特に、この本のボリミやアキコちゃんや大宮祥子ちゃんの存在が、自分にとっての里絵ちゃんで、あの顔色をうかがって暮らしてた自分を思い出して寂しくなる。2012/02/22