内容説明
母親との関係に悩み、恋人ともうまくゆかず、過食に溺れる私。痩せさえすれば…。新しい感性が織り上げた孤独と不安の世界。第11回すばる文学賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃこ
3
どこまでが本の中での現実なのかわからないけど、ちょこちょこ共感する文章があった。本を読む人を見るのが好き、というところが一番ぐっと。20年以上前に書かれた本とは思えないくらい、内容も古くなく、食をとりまく事情も摂食障害や精神疾患についてもあまり変わっていないんだなぁ、と驚き。むしろすぐに薬物で治療しようとする風潮のある現代にこそ読まれるべき本なのかも。2013/03/14
かずちゃん
1
私小説だったのか、妙に実体験のようなリアルさがあった。話は中途半端で終わってしまった?そのような内容のため、主役がフワフワしている感じだった。まだ続きがあってもおかしくないだろう。 2015/06/22
mgtomom
1
口唇性格にひやり。 前半から続く紀子の物語は時子の創作した小説とも読めるな。でもそしたら自分は主人公だから友達役では登場せんかー。2011/12/06
心葉
0
主人公の独白に共感できない。突然出てくるコンピューターグラフィックの話、卵のくだりは、えっ?っという感じ。繰り返しになる色彩の描写も悲劇のヒロインのための小道具のような感じ。主人公が太って困りきってるようには到底思えない。過食も中途半端。そう、かわいそうな私…(主人公風に言うと)感が満載。ラストの締めは「そうきたか」という感じだけど、最初の辺りで食べ物と子宮を繋ごうとしたのはちょっと、好意が持てなかった。2015/09/18
こたつ
0
捉え所がなく、感情がフラフラと移ろう女性の内面に不思議と引き込まれました。料理を絵画に例えた文章が印象的。2018/08/25