猫はときどき旅に出る

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猫はときどき旅に出る

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  • サイズ B6判/ページ数 340p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087714999
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

小説家の居場所なき魂の彷徨の記憶。
退屈を嫌い、気ままな暮らしを願う30代の小説家・楠三十郎。思い出すのは旅の記憶。青春を過ごしたサンフランシスコ、憧れの南極、映画を売り込みに行ったニューヨーク…。魂の彷徨を綴った自伝的長編。

内容説明

やがて脱走は旅になった。作家兼脚本家兼映画監督兼劇画原作者兼誠実なる酔っぱらい人間、楠三十郎の遍歴の記憶。第1部発表から十一年を経て完成された長編小説の傑作。

著者等紹介

高橋三千綱[タカハシミチツナ]
1948年1月5日大阪府生まれ。小説家・高野三郎の長男として生まれる。高校卒業後、サンフランシスコ州立大学入学。帰国後『シスコで語ろう』を自費出版。早稲田大学へ入学するが中退し、東京スポーツ新聞社入社。1974年『退屈しのぎ』で第17回群像新人文学賞、78年『九月の空』で第79回芥川賞受賞。83年『真夜中のボクサー』映画製作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ophiuchi

8
この人の小説を読むのはずいぶん久しぶりだが、いきなり「これは猫の話ではない」って、おいおい。2018/07/26

田中峰和

4
四六時中酔っぱらっているアル中作家の自伝的小説。文筆活動に専念していれば裕福に暮らせるのに映画製作に手を染めたのが間違いのもと。三十郎は監督した映画の配給先も見つからず借金に追われる。極貧の留学時代以来、環境は変わっても金に困る生活が続く。女にはだらしないが、動物には極めて優しい。ギャングが苛める子犬を命がけで救ったり、死に掛けの子猫は病院に連れていく。幼少期の引っ越しで犬を捨てた父への恨みがトラウマとなったのか、この記憶はよく出てくる。時代があっちへ行ったりこっちへ来たり、まるで酒飲みの与太話のようだ。2017/07/26

ume-2

2
久しぶりに高橋さんの名前を見かけて。文豪です。文章もいいけど、なにより比喩のセンスが秀逸。数ページに一回は声を出して笑ってしまった。「オランウータンと初めて出くわした小熊のような表情で」なんて表現はちょっと出てこない。本の内容は恐らく自伝なのでしょうが、ここまですごい経験をしている人は希少です。冒頭に「これは猫の話ではない。」とありますが、第三章は猫好きには堪らない話でいっぱいです。特に「野良猫メモ」はいいです。それにしても起きている間中呑んでいるこんな物書きの家族はタイヘンでしょう。金は天下のまわり物。2013/07/07

さな子

1
脳内に酒と女しかないおっさんの回想記。なのに続きが気になってしまう妙な魅力のある作品。2016/04/26

ぽてち

1
駄作では決してないのだけど正直読んでいてつらかった。と言うのも臭いものにフタをしたものを覗いた感じ、といえば良いのだろうか。時代の空気感も伝わり(架空の設定にしてはいるが当時の風俗、音楽、映画、女優等、連想出来るものばかり!)、それは良いのだけど、当時の自分はティーンエイジャーの立場で接してきた良い思い出なだけに、その裏で七転八倒した生臭いものも見えてしまうわけで・・・。出てくる人物達も決して「良い人」ではない。「良い・悪い」で括れない生臭さが充満している。複雑な感情にさせてくれる一冊。2013/07/17

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