感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Rie
6
人の強さ、弱さ、少しのかけ違いや過ちがもたらす悲劇。途中、曾宮に苛立つことしきり。でもだからって気持ちがなくなるわけではないのね。姉妹の愛憎が絡み合った結末はあまりに悲しい。もう少し何とかなっただろうに…と思いつつ、最初から結末が予想でき、そこへ引き込まれていったような気がする。妖しくも美しい内裏雛に想いを馳せるラストが鮮やかすぎて何とも言えない余韻が残る。2015/12/17
芋煮うどん
3
面白かったが、いかんせん古い。2020/07/11
野鹿
2
良くある原型ではあるけど、面白かったというか苦しかったです。律子さんが美しく不幸でたまりません。水田さんの自分に情熱が足りなかったという言葉も息苦しいです。曾宮さん、最初は素敵と思っていましたが最後の方はもう許すまじです。2015/09/28
あ げ こ
1
妹のため家のため、その身を捧げることを幸福としてきた人形師律子。妹の幸福を何よりも優先し万事を妹に譲ってきた彼女だが、一生に一度の愛に発露した激情を抑えきれず妹の愛する男を奪う非道の道を選ぶ。無惨に崩れる姉妹の関係。強い結びつきは複雑に絡み合う愛憎へと変貌する。際立つのは律子という女性の持つ業。自己犠牲(本人は当然の事と思っている)の中に幸せを見出すことに慣れてしまった彼女は、妹を押し退けて獲得した男との生活でかつて感じていた幸福を見失い、激しく苦悩する。作者の攻め手はやや緩めか。比較的読み易い。2013/03/27
