集英社文庫<br> 馬は土曜に蒼ざめる

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集英社文庫
馬は土曜に蒼ざめる

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  • サイズ 文庫判/ページ数 227p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087501599
  • NDC分類 913.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

105
1969年から1970年初頭に雑誌に載せられた作品集。もう50年前の小説だが今読んでも全然古さを感じさせない。時は日本万国博覧会や高度経済成長時代真っ只中。エネルギーに満ちたのが表題作の「馬は土曜に青ざめる」。落語を思わせるというより落語かなの「横車の大八」作者の真骨頂ドタバタ「息子は神様」他。これらの作品集を読んで感じたのはSNSや昨今コンプラ、自主規制のせいかこんな作品が小説として発表されることが少なくなったのではないかということ。読み手にとって読になる本ももっと読んでみたい気がする。2022/07/07

saga

57
【再読】奥付は昭和58年22刷。単行本を本書と『国境線は遠かった』に分冊したとWikiで知った。著者の作品としては比較的初期のものだが、ドタバタSFの作風は安定している。「人類の大不調和」は1970大阪万博を舞台に、不穏な世界情勢への皮肉を込めた作品。「肥満考」は中年の女流作家が壊れていくさまが現実→虚構→現実に推移していく筆致で面白かった。本書最後の表題作も、シュールな落ちだった。2023/11/08

メタボン

29
☆☆☆☆ 純粋に楽しめる短編集。男の脳を馬に移植し競馬で一儲けする表題作、物語として良く出来ている大工の伝説「横車の大八」、いつの間にか大量殺人者として追われるはめになっている「逃げろや逃げろ」、ダイエットの果ての妄想でライフルを撃ちまくる「肥満考」、万博に大量虐殺の館が出現する「人類の大不調和」。他、「息子は神様」「空想の起源と進化」「混同夢」。2020/04/18

mm

19
筒井ワールドに浸るのは、サウナに入ったごときの快感。毒気をもってこちらの毒が押し出されてさっぱりするということだろうと、勝手に解釈する。高校生の時に読んでいたら、多分どハマりしてたんじゃないか?今の高校生には、面白くないかもな。オヤジギャグ的に見えちゃうかもな。2016/02/07

gushwell

12
8編の作品が収録されている短編集。「空想の起源と進化」は現代と原始時代の話が交互に入れ替わり話が進む、こんなの考えられるのは筒井康隆しかいない。それと「混同夢」は、今で言うブラック企業で働くサラリーマンのドタバタ喜劇。「逃げろや逃げろ」は学生運動に巻き込まれた男の逃走バイオレンスドタバタ劇。「横車の大八」は天才大工の建物破壊秘話あれこれ、面白かった。他のも実に面白い。筒井康隆やっぱりあなたは天才です。2019/03/10

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