感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リッツ
27
再読。詰腹を切らされそうになった下級武士が寸前で悪魔と契約、見た目も新たに人生をやり直すことになるが…。表題作を含む四篇。やっぱり面白い!手塚作品。どの物語も権力を持つ人間の愚かしさや醜さが描かれているが、主人公たちは出会いによって悲しみと情愛を知り、大切なことに気づく。泣けてしまった。しんがりが犬の話というのもこたえた。2021/08/20
りるふぃー
13
手塚治虫さんと一緒に、時空をひとっ飛び。面白いだけではない、強烈に心を揺さぶられる珠玉の作品たち。とくに、『ロロの旅路』は何度も心の底に刺さる感覚がありました。日本人なら手塚治虫さん(の、とくに、後期の作品群)を読まなきゃ損だと思います。辻仁成さんの解説で『大きな災害や戦争や不幸が起こった時に、人々にとって何が1番大切なことか、手塚マンガは教えてくれている』とあるが、激しく共感します。地球に居ながらにして、宇宙の彼方からの視野を持っておられた手塚マンガは、1番楽しめる哲学書だと思う。2020/04/28
東雲
12
短編集。どの話も死が寄り添う。特に最後の狼の物語が切ない。三匹の兄弟が母親に会うためひたすらに追いかける。飢えに苦しみつつも必死で母を求める。しかし一匹ずつ命を落としていく兄弟。最後に残ったロロも母親に会った瞬間に絶命してしまう。何が辛いって、兄弟たちが追いかけてた母親はすでに剥製にされているってことよね。切ないねえ。手塚治虫って凄いなあ。2014/11/15
みのにゃー
4
処分前の再読。手塚版和製ファウストの表題作他『安達が原』『荒野の七ひき』『ロロの旅路』を収録。表題作は珍しくハッピーエンド。ああ『ネオ・ファウスト』最後まで読みたかった。2019/10/05
びぎR
3
昭和46~48年の長編1、短編3。「安達ケ原」はアニメ化したのを見たことがある。元ネタの能も見てみたい。2018/11/30