出版社内容情報
江戸時代、知恵と才覚で生き延びた井原西鶴の『世間胸算用』などの作品は、元祖ビジネス書だ。「人間としての生き方を自分で決める」という江戸から現代に続く今も変わらない“仕事の基本"を綴る。
内容説明
ビジネスの始まりの時期である江戸時代、人口に対する割合はとても低かったが、商人たちは社会に大きな影響を与え続けた。不正をせず、儲けすぎず、“信用”を得ることに最も重点を置いていた。当時のベストセラー作家・井原西鶴の『世間胸算用』などの元祖ビジネス本から16篇を選りすぐり、今の世にも通ずる“仕事の基本”、ひいては人間としてのまっとうな生き方を伝授する必読の一冊。
目次
第1章 ゼロからはじめる「始末」のビジネス(浪風静かに神通丸『日本永代蔵』巻一―人が捨てるものを大事にするのが基本;煎じやう常とはかはる問薬『日本永代蔵』巻三―金持ちになる処方箋があった! ほか)
第2章 工夫と知恵と才覚を発揮する(昔は掛算今は当座銀『日本永代蔵』巻一―プライドを捨てて現実に直面する;舟人馬方鐙屋の庭『日本永代蔵』巻二―情報獲得には速度が、組織継続には危機感が大切 ほか)
第3章 仕事は手段を選ぶ(茶の十徳も一度に皆『日本永代蔵』巻四―偽装に手を染めた利助の恐ろしい末路;奈良の庭竃『世間胸算用』巻四―蛸売り八助、詐欺商法の結末)
第4章 どん底からの再出発(心を畳込む古筆屏風『日本永代蔵』巻四―あきらめないから発見がある;祈る印の神の折敷『日本永代蔵』巻四―自前で生きて、人を育てる ほか)
著者等紹介
田中優子[タナカユウコ]
1952年横浜生まれ。江戸文化研究者であり法政大学総長。専門は日本近世文化・アジア比較文化。86年『江戸の想像力』で藝術選奨文部大臣新人賞、2000年『江戸百夢』で藝術選奨文部科学大臣賞、01年に同作でサントリー学芸賞を受賞。05年に紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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